2003 Fiscal Year Annual Research Report
イオンエッチング-走査電顕法による口腔組織三次元微細構造の解明
Project/Area Number |
13671930
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
長門 俊一 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (80084284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八尋 純子 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (60105682)
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Keywords | イオンエッチング / 走査型電子顕微鏡 / 連続切片 / 三次元再構築 / 免疫染色 / 血管 / 外分泌腺 / 骨 |
Research Abstract |
平成13年度より3か年にわたる最終年度(平成15年度)の研究で以下の結果を得た。ion etching-SEM法を応用してepoxy resin連続切片の走査電顕観察と三次元再構築を行うことにより、ラット舌背後方部糸状乳頭の二次乳頭中に進入する毛細血管ループの立体微細構造を検索し、二次乳頭基部では、ループの上行脚と下行脚が一対となって配列するが、線維芽細胞やその突起、膠原線維束などの介在のより、両脚の内皮細胞が直接には接触しないこと、二次乳頭先端部ではループ先端が盲管状の毛細血管となり、両脚が1本の盲管状毛細血管に移行する部では、隣接する両脚の内皮細胞を隔てる結合組織成分が消失し、内皮細胞の薄い細胞質で構成された隔壁が盲管基部を縦に二分することを明らかにし、このループが極めて特異であることを明確にした。ion etching-SEM法の免疫細胞化学への応用に関する研究では、glutaraldehydeとparaformaldehydeによる固定、LR White resin包埋、染色前ion etching、免疫染色、光顕観察、染色後ion etching、走査電顕観察という手順によりラット膵臓を観察し、ion etching-SEM法と金コロイド-銀増感による免疫染色法の併用により、膵島B細胞分泌穎粒の免疫細胞化学的同定が走査電顕下に可能であること、すなわち本法が極めて有用な免疫細胞化学法として期待できることを明らかにした。ion etching-SEM法による骨組織の観察ならびに三次元再構築では、長管骨(上腕骨)における骨細胞の配列ならびに骨細胞突起と基質膠原細線維の形態学的関連について検索し、層板構造の明瞭な領域に存在する骨細胞は層板に平行な平面内でさまざまな方向に配列すること、一方層版構造の不明瞭な領域の骨細胞は骨の長軸とほぼ平行な方向に配列すること、また層板を横断する骨細胞突起は層板の境界面でその走行方向にズレが生じることなどを明らかにした。
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