2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13672059
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
小幡 清夫 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (30233604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉田 茂昭 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教授 (20104333)
楳本 貢三 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (40097275)
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Keywords | 多環系モノマー / MMA / 共重合 / 重合収縮 / 機械的強度 |
Research Abstract |
機械的性質に優れ,重合収縮の少ない歯科用レジンを得るために,分子の環構造上に重合反応性の二重結合を有する多環系モノマーをMMAに添加し,加熱重合法で得られた重合体の重合収縮率(体収縮)および機械的強度から,義歯床用材料としての可能性を検討した。常温において液体で存在するシクロヘキセンあるいはシクロペンテンをそれぞれMMAに対して10wt%添加した共重合体は,MMA単独重合時の体積収縮を有意に抑制する効果が認められたが,機械的強度は著しく低下した.その他1,3-シクロヘキサジエン,1,4-シクロヘキサジエンについても同様の検討を行ったが,これらの化合物は,B.P.O.を開始剤とする100℃までの本実験条件では重合反応を示さなかった.また,常温では固体として存在するマレイミドをMMAに10wt%添加した共重合体の圧縮強さは,MMA単独重合時と比較して有意に向上するのが認められた. 一方,分子内に環構造を持たないが,重合後,大きな側鎖の立体障害により剛直なポリマー分子鎖を与えると考えた重合性二重結合を有するモノマーとして,フマル酸ジイソプロピル,フマル酸ジイソブチル,フマル酸ジ-n-ブチルおよびフマル酸ジオクチルの4種類の物質を選び,同様の検討を行った.いずれの物質とも,MMAに添加することによりその重合収縮を有意に抑制する効果がみとめられたが,得られた重合体の機械的強度は著しく低下した.p-メチルスチレン,p-クロロスチレンについては,それぞれ50wt%添加することによりMMAの重合収縮を有意に抑制する効果が認められたが,やはり機械的強度は著しく低下した.その他α-クロロスチレンについても同様の検討を行ったが,同物質は,B.P.O.を開始剤とする100℃までの本実験条件では重合反応を示さなかった.
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