メチシリン耐性ブドウ球菌が分離される歯性感染症の臨床的・細菌学的検討

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13672124
• Research Institution: Nihon University
• Principal Investigator: 秋元 芳明 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (10147720)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 藤井 彰 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (70102564) ; 小野 眞紀子(池田 眞紀子) 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (00267113) ; 渋谷 諄 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (20206147) ; 金田 隆 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (40185947) ; 松本 裕子 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (50221594)
• Keywords: メチシリン耐性ブドウ球菌 / 黄色ブドウ球菌 / 白色ブドウ球菌 / 歯性感染症 / 分離頻度 / 感受性

Research Abstract

580症例の歯性感染症より膿・滲出液および鼻前庭・扁桃粘膜のスメアーを採取し、13症例からブドウ球菌を分離した。同定の結果、黄色ブドウ球菌(SA)8株と白色ブドウ球菌(CoNS)5株であった。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は2株、メチシリン耐性白色ブドウ球菌(MRCoNS)は1株検出した。MRSA,MRCoNSが感受性を示した抗菌薬は、アルベカシン、バンコマイシン、リファンピシンであった。beta-lactamese産性は認めなかった。MRSA2株はmecAgeneを認めた。全症例で皮下膿瘍を認めた。1症例は基礎疾患として糖尿病があったが、コントロールされていた。画像所見では、根尖病巣を認めた。処置法は、切開排膿・ドレナージを行い、膿瘍部を洗浄し治癒を得た。治癒期間はMRSAでは2か月を要したが、MRCoNSでは0.5か月であり、瘢痕性肉芽組織の形成量による相違と推察した。学会発表した学会名を以下に示した。(1)3rd International Symposium on Antimicrobial Agents and Resistance, 2001, Korea (2)10th International Congress for Infectious Diseases, 2002, Singapore (3)8th Western Pacific Congress of Chemotherapy, 2002, Australia。The 25th Asia Pacific Dental Congress, 4/24-30, Manila, Philippines 2003にて発表を予定したが、SARSのため出張が許可されずキャンセルした。結果はInternational Journal of Oral-Medical Sciencesに投稿中である。