2002 Fiscal Year Annual Research Report
リコンビナントBMPを用いた顎骨および歯周組織再生の分子機構
Project/Area Number |
13672125
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
田中 博 日本大学, 歯学部, 教授 (30059555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 稔 日本大学, 歯学部, 講師 (60096899)
大井田 新一郎 鶴見大学, 歯学部, 助教授 (10114745)
稲毛 稔彦 日本大学, 歯学部, 助教授 (90096769)
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Keywords | 骨誘導 / BMP / TGF-β / CBFA-1 / Smad |
Research Abstract |
顎骨欠損に対する治療法には骨移植などが用いられている。しかしながら,成長因子を用いた骨誘導法は確立されていない。 BMP(骨誘導蛋白)は骨芽細胞の分化や細胞外マトリックスの合成を促進しており,骨形成において中心的な役割を果たしているものと考えられている。BMPの骨誘導は先ず軟骨が形成され,次に骨組織によって置き変わる。軟骨から骨組織に置換される過程はBMPと拮抗作用を持つNogginが関係しているものと考えられる。そこで,TGF-βスーパーファミリー,collagen合成に至る蛋白の局在と遺伝子発現を比較検討した。 ラットの皮下組織にBMP 1mg含む脱灰骨を埋入し,経時的にBMP等の反応を切片標本を用いて観察した。TGF-βおよびBMPとその特異的receptorの局在も一致していた。 埋入後1日目では,脱灰骨移植片周囲にリンパ球が多数集合した炎症像がみられた。移植後3日目では移植片周囲の炎症像は消失し,多数の毛細血管および細動脈が新生された。移植後5日目では移植片周囲には軟骨組織が新生された。移植後7〜10日目では軟骨組織は骨組織に置換され,移植後14日目では骨髄に相当する組織が現れ,骨の改造も観察された。TGF-βおよびBMPとその特異的receptorの局在および遺伝子発現は一致していた。反応は埋入後1日目では,リンパ浸潤,軟骨が新生される部位では前軟骨細胞,骨形成部位では前骨芽細胞に最も強かった。骨芽細胞TGF-βの反応はBMPよりも強かった。NogginおよびCBFA-1の反応は前骨芽細胞および骨芽細胞にみられた。 骨誘導において,CBFA-1およびNogginの発現はBMP-4によって促進され骨芽細胞や軟骨細胞の分化を調節し,signalはSmad familyによって仲介されているものと考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 稲毛稔彦, 大井田新一郎, 他: "抜歯窩の治癒過程におけるBMPの遺伝子発現"日本大学歯学部総合歯学研究所研究報告書. 03号. 101-111 (2003)
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[Publications] 稲毛稔彦, 他: "歯胚の成長に伴う硬組織形成の微細構造"日本大学歯学部研究紀要(一般教育). 29号. 45-53 (2001)
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[Publications] 稲毛稔彦: "歯科におけるBMPと骨誘導の発展性"日本歯科医師会雑誌. 53.11. 1029-1036 (2001)
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[Publications] 稲毛稔彦, 他: "電子顕微鏡を用いたエナメル芽細胞におけるamelogenin mRNAの遺伝子発現"日大歯学. 76.5. 491-499 (2001)
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[Publications] 稲毛稔彦, 田中 博, 大井田新一郎, 他: "マウス顎顔面の発育におけるCBFA-1およびBMP-4の局在について"日大歯学. (発表予定). (2003)
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[Publications] 稲毛稔彦 他: "歯周組織とエナメルタンパク"永末書店. 61-69 (2002)