2002 Fiscal Year Annual Research Report
老人性肺炎に関与する口腔細菌の定着を阻害するペプチドの開発
Project/Area Number |
13672145
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 宗雄 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (90263300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雫石 聰 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (00028789)
久保庭 雅恵 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (00303983)
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Keywords | スタセリン / Fusobacterium nucleatum / 結合領域 |
Research Abstract |
本研究では、F. nucleatumとスタセリン分子の結合領域を検索した。スタセリン分子の7分割ペプチドであるペプチド1-6、ペプチド6-14、ペプチド14-21、ペプチド19-26、ペプチド26-34、ペプチド32-39およびペプチド38-43を合成し結合阻害実験に供試したところ、ペプチド32-39は68%、ペプチド19-26は77%まで抑制したが、N末端部分を構成するペプチド1-6とペプチド6-14を含むその他のペプチドには明らかな阻害活性は認められなかった。ペプチド19-26(GPYQPVPE)について、最小結合領域を検索するために、N末端またはC末端からのデリーションペプチドを合成し、同様の阻害実験を行った。ペプチド19-26よりN末端のGly-ProおよびC末端のGluを欠落させても、その阻害効果はペプチド19-26とほぼ同程度であったが、それ以上のアミノ酸残基を欠くと阻害活性をほとんど示さなくなった。さらに、YQPVPEのTyrとGluの役割を調べるために、それぞれのアミノ酸をAlaに置き換えたAQPVPEおよびYQPVPAをインヒビターとしたところ、両ペプチドはYQPVPEと同程度の結合阻害効果を示した。このことはYQPVPEの配列において、TyrおよびGluは阻害を示すのに必須のアミノ酸ではなく、QPVPが最も重要な配列である可能性が示唆された。次に、ペプチド32-39(QPYQPQYQ)の最小結合領域をそのデリーションペプチドを用いて調べたところ、N末端のGlnを欠落させても、その阻害効果はほとんど変わらなかったが、さらにN末端またはC末端のアミノ酸残基を欠落させると、阻害活性はほとんどみられなくなった。以上の結果より,老人性肺炎に関与すると考えられているF. nucleatumのハイドロキシアパタイトビーズへの付着はYQPVPEとPYQPQYQで阻害されることが明らかとなった。
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