Research Abstract |
小児の咬合と重心動揺(平衡機能)の関係を見るために,園児,中学生を対象に調査した咬合については,口腔検診およびデンタルプレスケール(富士フィルム社)での咬合接触面積,平均咬合圧を咬合力を分析し,全身の重心動揺は,自動姿勢解析装置VTS-311(Patella社)で,Romberg位にて.開眼,閉眼,片足立ちで10秒間測定した。 咬合接触面積では4歳児は9.9mm^2,5歳児は11.7mm^2,平均咬合圧は4歳児44.0Mpa,5歳児,43.7Mpa,最大咬合力4歳児104.7N,5歳児113.4N,咬合力4歳児431.9N,5歳児457.2Nとなり,平均咬合圧に関しては4歳5歳で差はないが咬合接触面積や咬合力は,5歳児のほうが大きい値を示した。これは5歳児のほうが,咀嚼等により歯の咬耗や筋力が増加し,また第一大臼歯が萠出開始する影響であろうと推測される。中学生では学年が高くなるほど,咬合接触面積,咬合力が高い値を示した。このことも咬耗や咀嚼筋力の影響と考えられる。 また,重心動揺については,日頃運動をよく取り入れている幼稚園での調査では,重心動揺距離は4歳児25.4cm,5歳児29.5cm,重心動揺面積は4歳児7.5cm^2,5歳児10.4cm^2と年長児がより大きな値を示した。中学生では,2年が1番小さく,次いで,3年,1年であった。これは,日頃の訓練で機敏さが培われ,重心動揺(平衡機能)が改善されたと推測される。中学生では3年で値が大きくなったのは受験などによる運動制限が影響していると考えられる。 次年度は対象を増やし,運動と重心動揺についてアンケートでも調査する予定である。 一方,外胚葉異形成症は先天性歯牙欠損を伴うので,義歯を装着するが,義歯の有無での重心動揺を測定し,義歯機能を評価した。義歯は天然歯には及ばないが,義歯を装着することで重心動揺は改善された。
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