Research Abstract |
岡山県倉敷市N保育園3〜5歳児61名(男児30名,女児31名)を対象に,2003年5月および11月に自動姿勢重心解析装置(VTS-311,EGG 2000v, Patella社)の測定台上にRomberg姿勢で起立し,開眼と閉眼時各々10秒間の重心動揺距離と面積を測定した。また,同日にスタンプ法で足底型を採り,土踏まず形成の有無を測定した。5月および11月時の土踏まず形成率は3歳児61.9%,65.5%,4歳児,72.6%,81.0%,5歳児,80.3%,82.9%でいずれの年齢においても,6ヶ月後土踏まず形成率は上昇した。5月時の開眼時重心動揺距離と面積は3歳児,30.6cm,10.7cm^2,4歳児,29.2cm,8.4cm^2,5歳児,25.6cm,8.7cm^2であった。閉眼時の重心動揺距離と面積は,3歳児は38.1cm,16.1cm^2,4歳児は35.2cm,12.1cm^2,5歳児は32.9cmおよび11.0cm^2であった。重心動揺距離と面積に関して,開眼時は閉眼時より小さく有意差があった。(t-test, p<0.05)さらに,重心動揺距離と面積に関して,土踏まず形成群では開眼時は27.0cm,9.2cm^2,閉眼時33.0cm,13.0cm^2,土踏まず未形成群の距離と面積は,開眼時29.3cm,9.6cm^2閉眼時35.7cm,13.7cm^2であり,各々開眼時と閉眼時には有意差があった。(t-test,距離p<0.01,面積 p<0.05)しかし,土踏まず形成群は未形成群より重心動揺は小さいが有意差は認められなかった。 小児期において,成長に伴う身体の発達は,重心動揺の測定や土踏まず形成などの機能を示す指標により表わすことができることがわかったが,暦齢以外に,土踏まずの有無など訓練によって運動機能が発達することが示唆され今後さらに検討する必要があるだろう。
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