2002 Fiscal Year Annual Research Report
ステロール14脱メチル化P450の機能多様化と臓器特異的発現調節
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13672316
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
吉田 雄三 武庫川女子大学, 薬学部, 教授 (70085281)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青山 由利 創価大学, 工学部, 助教授 (00158718)
工藤 万起子 武庫川女子大学, 薬学部, 助手
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Keywords | シトクロムP450 / CYP51 / ステロール合成酵素 / 発現調節機構 / ホルモン / 小腸 / 副腎 / 転写調節エレメント |
Research Abstract |
ラットの小腸と副腎におけるCYP51発現に対する各種ホルモンの影響を、前年度までに行った肝臓における発現調節と比較して解析した。小腸、副腎におけるCYP51の発現は、mRNAレベル、酵素活性のいずれに関しても、肝臓と同様、下垂体摘出で低下し、トリヨードチロニン投与によって回復したが、ゴナドトロピンやACTHは回復作用を示さなかった。また、甲状腺ホルモン抑制薬であるメチマゾール処理によって、小腸と副腎のCYP51発現レベルは低下し、トリョードチロニンがこの低下を回復させた。この現象は対照として検討した肝臓においても観察された。これらの諸事実から、小腸、副腎におけるCYP51発現が、肝臓と同様に甲状腺ホルモンによって正の調節を受けていることを明らかにした。肝臓におけるCYP51発現は、デキサメタゾン投与によって抑制されるという昨年度に見出した予備的知見を、小腸、副腎を含めて詳細に検討した。デキサメタゾン投与は、肝臓、小腸、副腎におけるトリヨードチロニンによるCYP51の発現誘導を抑制すると共に、無処置ラットのこれら臓器におけるCYP51レベルを低下させた。これらの知見は、CYP51の発現がグルココルチコイドによって負の調節を受けている可能性を示唆するものである。しかし、グルココルチコイド抑制薬であるメチラポン投与や副腎摘出は、これら臓器のCYP51発現レベルに有意な変化を与えず、機構の詳細は今後の検討課題である。 培養細胞を用いたCYP51遺伝子の発現調節解レポーター系を用いた解析では、SREBP活性ドメインの遺伝子を共発現させることにより、プロモーター領域に存在するSREがCYP51遺伝子の転写に必要であり、このエレメントによるCYP51の発現がステロールによって抑制されることを確認した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Ji, H., Zhang, W., Zhang, M., Kudo, M., Aoyama, Y., Yoshida, Y.et al.: "Structure-based de novo design, synthesis, and biological evaluation of non-azole inhibitors specific for lanosterol 14alpha-demethylase of fungi"J. Med. Chem.. 46. 474-485 (2003)