2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13672332
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
吉岡 正則 摂南大学, 薬学部, 教授 (30012652)
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Keywords | カテコールアミン / システイン / システイン-S-スルホン酸 / 亜硫酸 / 過酸化水素 / トランスサイレチン |
Research Abstract |
本研究では、これまでの研究成果を総合することにより考えだされた新しい生体防衛機構に関与すると仮定される内因性および外因性物質としてのカテコールアミン類とシステイン類との誘導体を種々合成する。これらの合成品の過酸化水素の発生による殺菌作用などの防衛機構を明らかにする事を目的としている。昨年度の合成研究で、システインが亜硫酸を発生することを発見した。亜硫酸が過酸化水素と共に防衛機構に関与すると推定し、本年度は主にこの発生の機構を追求した。 1)システインから、非酵素的な亜硫酸の発生の条件を調べたところ、アルカリ性においてS-スルホン酸が生成した。これを酸性にすると亜硫酸が発生した。2)システインに亜硫酸ナトリウムを加えて、予想される反応産物のシステイン-S-スルホン酸を合成した。合成の条件により、種々の副生物ポリマーできた。3)このようなポリマーがアミロイド蛋白の沈澱機構に関与していることを、トランスサイレチンを用いて明らかにした。亜硫酸が、生体防衛機構だけでなく病因になることが推定された。4)システイン誘導体の大腸菌に対する抗菌作用はポリマー生成による溶解度が低いせいか非常に弱かったが、抗菌作用はあることが分かった。今後溶解度を高めるための誘導体のデザインが必要と考えられた。
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