2001 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカイン療法の最適化を目指した修飾部位制御化バイオコンジュゲーション法の確立
Project/Area Number |
13672385
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堤 康央 大阪大学, 薬学研究科, 助手 (50263306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 晋作 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (70207728)
真弓 忠範 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (00098485)
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Keywords | サイトカイン / ドラッグデリバリーシステム / バイオコンジュゲーション / 創薬 / トランスレーショナルリサーチ / ポリエチレングリコール / ライフサイエンス / 医療 |
Research Abstract |
次世代医薬品として期待されるサイトカインは休内不安定なうえ、複雑多様なin vivo生理活性を示す為、臨床応用する際には大量頻回投与を余儀なくされ、目的とする治療作用のみならず、重得な副作用をも同時に招いてしまっている。従ってサイトカイン療法を実現する為は、その体内安定性を向上させ、かつ目的治療作用のみを選択的に引き出し得る創薬技術が必須となっている。この点我々は、最適の水溶性修飾高分子を検索し、さらに最適のバイオゴンジュゲート条件を検討する事で、副作用を呈する事なく、サイトカインの治療効果のみを選択的に引き出し得る技術(バイオコンジュゲーション)の創出に成功している。しかし、従来までのバイオコンジュゲーション方法は、主として蛋白質のリジン残基に対してランダムに修飾高分子を導入するものであった為、活性発現や構造維持に重要な役割を担っているリジン残基をも高分子修飾してしまい、往々にして著しい比活性低下を招いてしまっていた。以上の観点から本年度は、バイオコンジュゲーションの致命的欠点である比活性低下を回避し得る方法論の確立を目指し、インターロイキン-6(IL-6)をモデルサイトカインとして適用し、DMMAn(ジメチル無水マレイン酸)による高分子導入部位制御法の構築を図った。DMMAnは緩和な条件(pH7付近)でpH応答性を示すアミノ基保護試薬である。その反応はランダムではあるものの、その添加量を調節する事で、立体的に分子表面に位置するリジン残基と優先的に結合し、バイオコンジュゲーションによる高分子導入からレセプター結合部位等に存在するリジン残基を効率よく保護し得るものと考えられる。ポリエチレングリコール(PEG)こよるIL-6のバィオコンジュゲーションにおいて、このDMMAnを最適条件で適用したところ、比活性低下を効率よく回避できる事が判明する等、当初計画を達成し得た。
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[Publications] Tsunoda S. et al.: "Selective enhancement of thrombopoietic activity of PEGylated interleukin 6 by a simple procedure using a reversible amino-protective reagent"Br. J. Haematol.. 112. 181-188 (2001)
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[Publications] Yamamoto Y et al.: "Molecular design of bioconjugated cell adhesion peptide with a water-soluble polymeric modifier for enhancement of antimetastatic effect"Current Drug Targets. (in press).