2001 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠期から育児期にある女性の健康観と母性意識が禁煙行動に及ぼす影響
Project/Area Number |
13672441
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
小林 淳子 山形大学, 医学部, 教授 (30250806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 まり子 山形大学, 医学部, 助手 (40333984)
齋藤 明子 山形大学, 医学部, 助手 (10310179)
藤村 由希子 岩手県立大学, 看護学部, 助手 (90336438)
右田 周平 山形大学, 医学部, 助手 (50302295)
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Keywords | 喫煙 / 禁煙 / 妊産婦 / 母親 / 母性意識 |
Research Abstract |
研究目的の中で今年度は,1.妊娠前から出産後までを通した女性の喫煙の実態を把握する,2.出産後の喫煙に関連する要因について母性意識を含めて検討する,の2点に焦点をあてた。 対象者は,東北地区4県12市町村で実施した1歳6ヶ月児健診,1歳8ヶ月児健診を訪れた母親の中で調査の了解を得,有効回答を得た449名(配布数の40.5%)。妊娠前から調査時点までの喫煙状況を回想した回答を求めた。質問紙は来所時に配布し,帰宅後の記入の上郵送で回収した。 研究目的1の結果は,喫煙経験なし215名(47.9%),遊びも含めて喫煙経験があるが今回の妊娠前には喫煙を止めていた109名(24.3%),妊娠判明時喫煙者は125名(27.8%)であり,妊娠を契機に禁煙84名(18.7%),喫煙を継続41名(9.1%)であった。妊娠判明時の喫煙者のうち67.2%は妊娠を契機に禁煙し,喫煙継続者は32.8%あった。妊娠判明時喫煙者で妊娠を契機に禁煙した84名中,出産後も禁煙を継続24名(28.6%),出産後喫煙を再開60名(71.4%)で2〜4ヶ月以内に56%が再開した。また,妊娠判明時喫煙者で喫煙継続した41名中,出産後も喫煙継続39名(95.1%),出産後に禁煙2名(4.9%)であり,調査時点での喫煙者は85名(18.9%)だった。 研究目的2の結果は,出産後の喫煙再開に関連した要因は,夫・母親仲間・友人の喫煙,知識の不足,消極的・否定的母性意識であった。また,育児中である調査時点での喫煙に関与した要因は,友人・母親仲間・夫の喫煙,消極的・否定的母性意識であった。 妊娠を契機に禁煙しても約7割は出産後喫煙を再開することと,育児中の母親の2割近くが喫煙している実態が明らかとなり,身近な喫煙者を含めた禁煙教育と育児を支援する体制整備の必要性が示唆された。
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