2003 Fiscal Year Annual Research Report
急性期の看護における看護実践能力の明確化と継続教育プログラムの開発
Project/Area Number |
13672501
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Research Institution | Faculty of Medical Sciences, University of Fukui |
Principal Investigator |
岩田 浩子 福井大学, 医学部, 教授 (20300171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯見 智恵 福井大学, 医学部, 助手 (40334841)
酒井 明子 福井大学, 医学部, 講師 (30303366)
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Keywords | 術後急性期 / 看護実践 / 有能さ / 熟達化 / 実践内容と構造 / OJT / 教育プログラム |
Research Abstract |
研究期間最終年度である本年の研究計画は、1.術後急性期の看護実践に関して収集したデータの分析、2.分析結果に基づき臨床の協力者との情報交換、3.収集した調査結果すべてを基に現任教育プログラム試案作成とした。 1.平成14年度に調査した臨床看護実践の質的データに関する二次分析を実施した。特に教育プログラムに反映するために看護実践の内容と構造を「有能さ」「熟達化」の観点から分析した。 結果:手術後の看護実践を「観察活動(記録を含む)」「治療環境調整活動」「安楽性・安全性の看護活動」の3領域に整理し分析した。抽出ラベル総数126であった。「呼吸循環に影響する既往歴と観察の優先性」「過去の手術体験や術前の状態との比較から判断」「術前に形成された信頼関係」「術式や術中状態に応じた観察や合併症予防」の4カテゴリー整理された。また、「行為」を行動レベル表現で抽出した結果「援助する」「観察する」「確認する」「説明する」「判断する」が明らかとなり、それぞれに含まれる項目を知識、技術・人間性の3要素で整理することができた。看護実践のカテゴリーおよび行為の特徴から急性期看護の実践の内容の特性が示唆された。さらに、「熟達化」の視点で126ラベルを再分析しだ結果19のカテゴリーに分類された。また、その構造は3段階のレベルがあることが明らかとなり、熟達化に向かう段階モデルとして形成されることが明らかとなった。 2.以上の分析結果を基に臨床の協力者に説明、現任教育の現状や課題の意見、情報を交換することで、抽出されたカテゴリーと構造により現任教育プログラムの骨子作成の可能性を確認した。 3.臨床の看護管理者が認識する急性期看護に必要な能力の調査結果と1.の結果を基にOJTとしての急性期看護領域の教育プログラムを、特に卒後2年目程度のジェネラリスト育成を目的に検討した。 結果:そのまま使用できるレベルまで具体化するには限界があるが急性看護の中核となる能力を育成する試案を作成した。
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