2001 Fiscal Year Annual Research Report
肝切除患者の術後回復パターンの構造分析と周術期看護モデルの開発
Project/Area Number |
13672502
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
明石 惠子 三重大学, 医学部, 助教授 (20231805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦川 加代子 三重大学, 医学部, 講師 (00273384)
中西 貴美子 三重大学, 医学部, 講師 (40283543)
櫻井 しのぶ 三重大学, 医学部, 助教授 (60225844)
石川 睦弓 三重大学, 医学部, 助手 (90324516)
村木 明美 三重大学, 医学部, 助手 (10273385)
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Keywords | 肝切除 / 周術期看護 / 術後合併症 / 高ビリルビン血症 |
Research Abstract |
本研究は、肝・胆道系悪性疾患のために肝切除を受ける患者に対する周術期看護モデルの作成を目的としている。まず、肝切除患者の身体的・心理的・社会的側面の特徴を明らかにするために、患者背景(年齢・性別、原疾患、併存肝病変、術前治療、術前肝機能等)、手術因子(肝切除範囲、併施手術、アプローチ、手術時間、出血量、輸血、チューブ類等)、術後経過(栄養状態や肝機能の変化、酸素供給期間、経口摂取・離床の開始時期、術後合併症、在院期間等)を観察した。同時に、STAIによる不安テスト、WHO/QOL-26によるQOL評価、また、病気や手術、術後経過等に関する患者の気持ちについてのインタビューを行った。しかし、対象者が予定人数に達せず、現在、得られたデータを分析しながら継続してデータの収集を行っている状況であり、特にインタビュー結果の逐語録作成とグラウンデッドセオリーに基づいた質的分析に時間を要している。 一方、過去の肝切除患者のデータならびに肝切除患者に対して現在行われている看護や治療・処置に関する情報から、術後合併症発生事例に対する看護の検討も行った。特に、術後の看護に難渋する高ビリルビン血症を取り上げ、その予測、予防、発生事例に対する看護を明らかにした。すなわち、肝切除後の高ビリルビン血症の発生を予測するためには、肝予備力と肝切除範囲、術中の肝虚血の程度、腹腔内感染症に関する情報が重要であり、予防するためには、肝機能の維持・改善および低酸素血症の防止による肝再生の促進、適切な腹腔ドレーンの管理や抗生物質の使用による腹腔内感染の防止に留意しなければならない。そして、高ビリルビン血症を発生した場合は、肝庇護療法の理解と管理、肝障害に伴う倦怠感等の緩和、腹腔内感染に伴う発熱の対処と敗血症の予防、経過の長期化に伴う日常生活援助と支持的関わりなどが必要であることを指摘した。
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Research Products
(2 results)