2001 Fiscal Year Annual Research Report
サービス利用の変化が痴呆性老人の問題行動と家族介護者の援助行動に及ぼす影響
Project/Area Number |
13672517
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
大塚 眞理子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教授 (90168998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 広美 川崎市立看護短期大学, 講師 (00279837)
星野 純子 埼玉県立大学, 短期大学部, 助手 (00320672)
天谷 真奈美 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (00279621)
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Keywords | 痴呆性高齢者 / 家族介護者 / 介護保険 / 問題行動 / 援助行動 / ケアリング |
Research Abstract |
研究目的:本研究の目的は介護保険制度を活用している痴呆性老人と介護家族を対象に、介護保険制度の前後で痴呆性老人と介護家族の変化を明らかにし、専門職による支援方法を明らかにすることである。 研究方法:(1)研究参加者;調査対象者の選定は、家族の会の世話人に研究の趣旨を説明し、対象者となる介護家族の推薦を得た。家族の会を通して介護家族にインタビューの依頼を行った。 (2)研究の説明と同意;研究参加者には研究の趣旨を書面によって説明し、同意を得た介護家族を対象とした。インタビューに際しテープ録音することの了解を得た。 (3)インタビュー内容;インタビューは介護家族と研究者が、介護家族の自宅あるいは指定の場所で行った。痴呆性老人と家族の基本属性およびサービス利用の種類と頻度などを設問したほか、痴呆介護の経過、サービス利用状況、生活状況、痴呆性高齢者と介護家族とのかかわりの様子などを半構成面接によって話を聞いた。 (4)分析方法;(1)基本属性およびサービス利用の種類と頻度などについては単純集計を行った。(2)半構成面接の内容は、テープ録音したインタビュー内容を逐語録に起こし、外部支援の状況、痴呆性老人の状況、介護家族の状況について経時的に整理した。分析の視点は、外部支援として介護保険制度の利用の前後によるサービスの変化および痴呆性老人の状況と介護家族の状況の変化であり、サービス利用の変化が痴呆性老人と介護家族の状況に及ぼす影響である。さらに、痴呆性老人の問題行動と介護家族の援助行動および、そのかかわりにあらわれる両者のケアリングのあり方をみた。 (5)分析の途中経過:インタビューを行った介護家族は23名で、妻9名、夫1名、娘6名、嫁3名、息子1名、兄1名であり、年齢は51歳から78歳であった。介護している痴呆性高齢者は男性10名、女性13名で、年齢は54歳から95歳であった。インタビュー時点で施設入所10名、在宅ケア11名、入院中2名であった。介護保険になって施設入所が増えていた。介護保険の切り替え時にショートステイが利用できないために、痴呆性高齢者の問題行動に対処できず施設入所に至った事例もあった。
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