2002 Fiscal Year Annual Research Report
精神分裂病(統合失調症)患者の地域生活に向けた援助の構造に関する研究
Project/Area Number |
13672543
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
田上 美千佳 財団法人東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 研究員 (70227247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 洋子 福島県立医科大学, 看護学部, 学部長・教授 (60180444)
新村 順子 財団法人東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 研究員 (90360700)
長 直子 財団法人東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 研究員 (20332380)
大竹 眞裕美 福島県立医科大学, 看護学部, 助手 (70315670)
大川 貴子 福島県立医科大学, 看護学部, 講師 (20254485)
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Keywords | 統合失調症患者 / 急性期 / 地域生活 / 看護援助 / 退院 |
Research Abstract |
<研究目的>統合失調症(精神分裂病;以下、「統合失調症」と称す)患者の入院中から地域での生活に至る包括的な援助の構造を明らかにすることが最終目的である。今年度は、短期間で退院することができた統合失調症患者へのケア内容を分析することによって、看護師がいつの時点から、どのような見通しをもって、地域で生活を送ることが可能となるようなケアを意識的に行なっているのかを明らかにすることを目的とした。 <実施内容ならびに結果および考察> 1,平成13年度の調査をもとに、研究者が協働して調査項目およびインタビューガイドを作成した。 2,協力の得られた、原則として急性期包括医療体制を採っている精神科医療機関3施設9病棟において、調査日より概ね6ヶ月以内に、統合失調症の陽性症状により入院し、入院時より3ヶ月以内に退院したか、あるいは退院が決定している患者を受け持った看護師を対象として、インタビューガイドに基づいた半構造的なインタビューを行った。なお、対象者には書面にて了承を得た。 3,対象者から語られた事実を録音して逐語的に記述し、その内容を質的に分析することにより、退院後の生活に向けて行われた病棟での看護援助を時間軸の観点から把握することを試みた。 4,その結果、入院1週間日から退院に向けたケアを実施していたケースは43.6%であった。さらに、短期入院患者の退院後の生活に向けて行われたケア内容は、主に(1)退院後の過ごし方(2)服薬管理(3)疾病理解(4)精神症状のマネージメント(5)困り事への対処(6)人とのかかわり方(7)家族調整(8)他職種との連携に分類することができた。 *なお、「精神分裂病」の名称変更に伴い、来年度からは本研究中の名称を「統合失調症」と変更する。
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