2002 Fiscal Year Annual Research Report
模擬低酸素状態下での持久的トレーニングが骨格筋酸素供給系に及ぼす影響
Project/Area Number |
13680011
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
鈴木 淳一 北海道教育大学, 冬季スポーツ教育研究センター, 助教授 (80261379)
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Keywords | 毛細血管新生 / トレーニング / 低酸素 / コバルト / 酸素活性 / 骨格筋 / 持久力 |
Research Abstract |
本研究は、常圧・低酸素環境下の持久的トレーニング初期段階における骨格筋酸素供給系の適応性変化について解明することを目的とした。実験には12週齡のWistar系雌ラットを用い、対照群(Cnt)、トレーニング群(TR)、コバルト投与群(Cob)、およびコバルト投与中にトレーニングを行う群(CoTR)の4グループに分けた。塩化コバルトは0.01%の濃度で飲水中に混ぜて投与した。トレーニングは小動物用トレッドミルを用いて、25m/minで20%勾配の走運動を1日15分間から開始し、3min/dayの割合で運動時間を漸増した。コバルト投与及びトレーニング開始後、3日、6日、10日目に骨格筋及び横隔膜のサンプルを摘出した。筋の連続横断切片に毛細血管の二重染色及び血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の免疫組織染色を施した。コバルト投与開始6、10日後にVEGFに陽性反応を示す毛細血管の密度(VEGF-cap)がヒラメ筋において有意に増加し、10日後にはC : F比が有意な増加を示した。CoTR群のヒラメ筋では、VEGF-capの値が3日後に69%、6日後に44%、10日後には60%有意に増加したが、足底筋では10日後に有意な増加が観察された。TR群では、ヒラメ筋でVEGF-capが6日後、10日後にそれぞれ38%、58%有意に増加したが、足底筋では有意な増加は観察されなかった。ヒラメ筋ではTR群及びCoTR群でC : F比が6日後と10日後に有意な増加が観察されたが、足底筋ではCoTR群だけ10日後に有意な増加が見られた。以上の結果から、コバルトによるoxygen-sensing mechanismの活性化によって、下肢骨格筋の毛細血管内皮細胞でのVEGF発現が促進され、毛細血管網の再構築が助長されることが示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Junichi Suzuki: "Time-course changes in VEGF expression and capillarity in the early stage of exercise training with Co^<2+> treatment in rats"Advances in Exercise and Sports Physiology. 8・4. 153 (2002)
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[Publications] Junichi Suzuki: "Microvascular remodelling after endurance training with Co^<2+> treatment in the rat diaphragm and hind-leg muscles"Japanese Journal of Physiology. 52・5. 409-419 (2002)