2002 Fiscal Year Annual Research Report
脆弱な高齢者の動作特性と機能的身体自立にむけた活動プログラムの開発
Project/Area Number |
13680053
|
Research Institution | TOYAMA MEDICAL AND PHARMACEUTICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
岩岡 研典 富山医科薬科大学, 薬学部, 助教授 (50223368)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野寺 孝一 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (30115159)
|
Keywords | 虚弱高齢者 / 歩行能力 / 筋力 / 自立度 / 認知度 / 活動水準 |
Research Abstract |
1.介護老人保健施設で実施されている身体活動プログラムの強度について検討するために、施設居住高齢者を被験者に、各種プログラム時の床反力データの収集を行った。結果に関しては、特定のプログラム(ダンベル体操)を定期的に実施する前後での体力測定データと併せて、解析を進めている。 2.脆弱な高齢者の歩行能力・筋力と日常生活動作の遂行能力との関係等について検討するために日常生活自立度がJ1からB2の67歳から88歳の男女16名を被験者として測定を行った。各被験者は脳血管性の片麻痺や多発性脳梗塞、パーキンソン病などを罹患していたが、独力歩行が可能であり、失行や失認は認められなかった。身体能力の認知度と日常生活動作の指標として、バーを上下させ、眼で見て"またぐのが困難"と判断する高さと、実際にまたぐ動作を行ったときの臨界点を記録した。 最大等尺性膝関節伸展筋力と最大歩行速度は、これまで報告してきた高齢障害者が屋内自立するための下限レベルとほぼ同程度であった。眼で見て判断する臨界点は脚長の84%(57cm)前後、実際の臨界点は77%(52cm)前後であった。バーまたぎの臨界点は相互に有意に関連していたが、いずれも脚筋力・歩行能力とは有意な相関を示さなかった。 眼で見た判断と実際の行為のズレは脳血管性片麻痺の場合に大きくなる傾向が見られ、日常生活自立度や歩行能力、脚筋力よりも、障害の種類による影響の可能性が示唆された。 3.視覚障害高齢者の身体活動水準におよぼす施設での活動プログラムの影響を検討するために、高齢視覚障害者に計器(ライフコーダー)を装着し、生活パターンと身体活動水準について1週間連続測定した。 通所時の活動水準は、音刺激を利用した歩行プログラム等の実施により高く保たれていたが、在宅時はほぼ寝たきりの状態で過ごしていることが明らかとなり、家族への適切な働きかけとヘルパー等の支援体制の必要性が示唆された。
|