2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13680089
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
堀 信行 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (40087143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 容孝 専修大学, 文学部, 教授 (20199764)
大山 修一 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (00322347)
岡 秀一 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (50106605)
高岡 貞夫 専修大学, 文学部, 助教授 (90260786)
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Keywords | 霊山 / 色季 / 色彩景観 / 植生景観 / ドメスティケーション / 景観生態学 / 空間構造 / 景観認識 |
Research Abstract |
研究代表の堀は、霊山の植生の四季の変化に留意しつつ、文献資料やその他の諸資料に当たるとともに現地調査を行った。特に霊山の植生でも、桜と紅葉に注目し検討を行った。桜については、すでに多くの研究で示されているように、平安時代の頃から里に移植され、時代を下るにつれ至近距離で春季を告げる桜を愛でた。一方、桜と人間の距離が近いゆえに、散る桜に人生の生死と重ねてきた。幕末から明治以降のソメイヨシノが、国家政策にからんで全国に流布した。以上、桜の風景の変遷を示す文献資料の収集と現地調査を行った。一方、紅葉についても文献資料の収集を行うとともに、霊山の紅葉谷などに注目し、宮島他で自然植生に関与した人為作用に注目して現地調査を行った。このほか日本の聖域に典型のスギについて、全国的な分布を平面的広がりと垂直的分布について検討を行った。その結果、スギの自然植生の成育限界は、屋久島を最高点に東北北部に向かって低下する明瞭な緯度勾配を示した。これらの分布図に、スギが存在する社寺林の分布と重ね検討を加えた。その結果社寺林のスギは、自然植生の分布域内に入ることが確認された。スギについては今後さらに日本周辺も視野に入れて分布を確認し、スギと日本文化との関わりについて検討を深めたい。高岡は、長野県戸隠神社の周辺の植生について、極相林と二次林の分布と最近40年間の変化を空中写真と現地調査から図化し、神社と植生の空間配置を、人為的要因と自然的要因の両面から検討した。大山は、琉球弧におけるソテツの栽培、半栽培、野生状態を観察し、植生調査を実施する一方、関東以南の本州や九州、四国に広くみられる寺社仏閣のソテツ庭園から、ソテツに着目した植物と人間との関係を捉えるとともに、一定期間ごとに自動的に画像を撮影する装置によって季節にともなう自然植生の色彩景観の移り変わりを分析しようと試みている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 堀 信行, 森田 圭: "風景のドメスティケーションとしての植林地の地理的分布に関する一考察"日本地理学会2002年秋季大会予稿集. 62. 146 (2002)
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[Publications] Takaoka, S: "A perspective on vegetation patterns and processes as a basis for managing mountain ecosystems"Geographical Review of Japan. 76(印刷中). (2003)