2002 Fiscal Year Annual Research Report
肥満高血圧の減量による降圧機序と栄養・運動因子-特に血清レプチン濃度とインスリンと抵抗性-
Project/Area Number |
13680167
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Research Institution | Nakamura Gakuen University |
Principal Investigator |
伊藤 和枝 中村学園大学, 栄養科学部, 教授 (80104983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 里利子 中村学園大学, 栄養科学部, 助手 (30322605)
田中 美鈴 中村学園大学, 栄養科学部, 助手 (00301680)
増田 隆 中村学園大学, 短期大学部・幼児教育科, 助教授 (60211562)
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Keywords | 高血圧 / 肥満 / インスリン抵抗性 / 血清レプチン / 減量 / 飽和脂肪酸 / エネルギー / 脂肪 |
Research Abstract |
【目的】肥満是正に伴う降圧にはインスリン抵抗性が関与し,肥満高血圧者の血圧には肥満Ob遺伝子血清レプチン濃度(Leptin)が関与することがこれまでの研究で明らかになり、インスリン低抗性、血清レプチン濃度に及ぼす栄養・運動因子を検討した。 【対象と方法】対象は年齢47.0歳の女性135名(BMI:29.2kg/m^2)である。栄養・運動による減量指導を3カ月間行い、開始時(OM)、3カ月(3M)後に日本コーリンBP8800を用いて血圧を測定し、早朝空腹時に安静臥床30分後の採血を行った。OM、3MにMRIにより腹部脂肪を測定し、75gOGTTならびに24時間蓄尿(24hU)を行った。同時に連続3日間の秤量法と撮影法を併用した食事調査を行った。3カ月の減量指導により血圧が血圧測定値の変動を検討した2%以上降下した血圧降下群(83名)と非降下群(42名)に群別した。 【結果】(1)減量前(OM)のBMI、腹部脂肪、MBPは群間に差を認めず、血清Leptin、ΣIRIにも差はなかった。(2)3カ月後、体重、BMI、脂肪体重は両群で有意に減少した。MBPは血圧降下群で有意に低下し、(3)LDL-C・血漿レニン活性・ΣIRI・HOMA指数・血清レプチン濃度は血圧降下群で有意に低下し、非降下群では差を認めなかった。(4)重回帰分析で全員のMBP変化率に脂肪体重とΣIRIが有意に正に回帰された。(5)3カ月後、エネルギー・脂質摂取量は両群で有意に減少し,Na/K, Ca・Mg摂取量に差はなかった。(6)ΣIRI変化率に飽和脂肪酸変化率が有意に正に回婦され、エネルギーとの関連は認めなかった。 【結語】中等度肥満者の減量に伴う降圧には、インスリン低抗性が関与し、インスリン抵抗性にはエネルギー・脂肪摂取量ではなく飽和脂肪酸の摂取量の関与が示唆された。
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[Publications] K.Itoh, K.Imai, T.Masuda, M.Tanaka, R.Koga, M.Nakamura: "Relationship between changes in serum leptin levels and blood pressure after weight loss"Hypertension Research. 25・6. 881-886 (2002)