2003 Fiscal Year Annual Research Report
インターネット環境下での点字によるソフトウェア開発及びその教育に関する研究
Project/Area Number |
13680499
|
Research Institution | Tsukuba College of Technology |
Principal Investigator |
長岡 英司 筑波技術短期大学, 教育方法開発センター(視覚障害系), 教授 (30227996)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒川 哲宇 筑波技術短期大学, 視覚部・一般教育等, 教授 (50114070)
河原 正治 筑波技術短期大学, 情報処理学科, 助教授 (20234106)
|
Keywords | 重度視覚障害 / ソフトウェア開発 / 点字 / ピン・ディスプレイ装置 / 音声出力 / テキスト・エディタ / Java言語 / インターネット |
Research Abstract |
本研究は、重度視覚障害者によるインターネット関連ソフトウェアの開発を可能にすることを目的に実施された。その実現には、PC上の開発環境を非視覚的に利用する方法の確立と、開発作業の能率や精度を向上させるためのツールの整備が必要であった。 1 ソフトウェア開発の方法の確立 平成13・14年度には、Java言語によるソフトウェア開発を、日本語版Windows用の国産スクリーンリーダ(画面読み上げソフト)を用いて点字・音声環境で行う方法を確立した。15年度は、米国で開発された他のスクリーンリーダの活用について検討し、そのスクリプト機能などの利用によって、Java開発環境への非視覚的なアクセスの可能性が拡大することが明らかになった。結果として、インターネット関連の基礎的なソフトウェアの開発を、点字出力と音声出力を用いる非視覚的な方法で、確実に行えるようになった。 2 ソフトウェア開発のためのツールの整備 平成13・14年度には、ソースコードの入力・編集作業などの能率向上に役立つ、点字表示機能付テキストエディタを試作した。15年度は、そのフィールドテストを行い、点字表示機能の強化や操作性の向上を図った。その結果、視覚障害者用のテキストデータ入力・編集・閲覧ツールが完成した。これは、ソフトウェア開発における能率の改善をもたらすばかりでなく、一般的な文書処理でも有効に利用できる。 3 ソフトウェア開発に関する学習資料の整備 Java言語やインターネットについての学習に使用する点字資料を、情報処理用点字などの専用点字体系を用い、また、触読の特性などを考慮して作成した。それらは、視覚障害者による実際の学習で使用され、Java言語でのインターネットプログラミングに関する基礎的な知識や技術の習得に有用であることが実証された。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 長岡 英司: "重度視覚障害者のソフトウェア開発技能の職業的有用性"職業リハビリテーション. No.16. 43-51 (2003)
-
[Publications] 長岡 英司: "視覚障害の補償-その進展を図るには"FIT2003 情報科学技術フォーラム講演論文集. (2003)
-
[Publications] 長岡 英司: "パソコンへのアクセスにおける点字ディスプレイ出力の利用効果-音声出力と点字出力の利用比較実験-"日本特殊教育学会 第41回大会発表論文集. 338 (2003)