2002 Fiscal Year Annual Research Report
耐久消費財のブランドスイッチング構造と競争戦略に関する研究
Project/Area Number |
13680537
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大野 高裕 早稲田大学, 理工学部, 教授 (70169027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 建河 早稲田大学, 理工学部, 助手 (50350468)
田畑 智章 東京富士大学, 講師 (00329103)
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Keywords | マーケティング / ブランド・スイッチング / CMS / 非対称MDC / 買替え行動 / ロイヤルティ / 携帯電話市場 |
Research Abstract |
平成14年度の研究では,平成13年度の競争市場構造モデルとOhno & Kimモデル(Ohno, Takahiro and Kim, Geonha : "Market Segmentation & A Competitive Market Structure Model using Switching Data of Cosumer Durables," INFORMS International Hawaii June 2001, P.35(2001.6))に基づいて,分析対象を耐久消費財である携帯電話市場の電話機に着目する.また,消費者の商品寿命概念が物理的寿命の概念から,買替え寿命に変化していることに着目する.成長段階や成熟段階に入っている耐久消費財の特徴中のひとつは,耐久消費財の売上中で買替えによる売上の占める割合が大きくなる傾向があり,この傾向は新しい商品寿命概念によって加速化される.従って,市場全体の需要は飽和され,各事業者やメーカーのシェア拡張競争が激しくなると,消費者の買替え行動の理解や買替えの際に行われるブランド・スイッチングを把握しない企業は市場に生き残れないことになる.特に成熱期における企業戦略の焦点はブランドロイヤルティの向上,製品差別化などに基づくシェア維持である.成熟期におけるマーケットサイズは飽和されたので,企業のシェア維持戦略のひとつとしてブランドロイヤルティを向上させ,ブランド・スイッチングを防ぎ,反復購買に至るようにする戦略が考えられる.そこで,平成14年度の研究では,携帯電話市場の買替え行動データを利用して競争相手の把握とブランド選択の際に考慮される属性の優先順序が含まれている競争市場構造を分析し,買替えの際に現れるスイッチング・パターンとロイヤルティを分析して,携帯電話市場の戦略的マーケティング含意を導出する.
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