2002 Fiscal Year Annual Research Report
複雑地形上の大気乱流数値モデルの開発とその大気環境影響評価への応用
Project/Area Number |
13680625
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Research Institution | OSAKA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山口 克人 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90029166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 明 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20215445)
町村 尚 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30190383)
加賀 昭和 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90029265)
惣田 訓 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30322176)
井上 義雄 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60203262)
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Keywords | 複雑地形 / 大気乱流モデル / Mellor-Yamadaモデル / 代数応力モデル / 数値シミュレーション / 大気汚染濃度予測 / 環境アセスメント / 圧力再分配効果 |
Research Abstract |
本研究では現在大気境界層の乱流現象を解析するために用いられている4種の乱流モデルをさまざまな大気環境場に適用してその特性を明らかにした。研究実績の概要は以下のとおりである。 (1) 現在大気境界層の解析に一般的に用いられている4種の乱流モデルについて、そのモデル化過程を詳細に検討し、各モデルの違いが主としてレイノルズ応力方程式に現れる浮力による圧力再分配項のモデル化の方法および乱流基本量の選択の違いにあることを明らかにし、今後の乱流モデル改良の方向に有効な指針を与えた。 (2)KEASM(代数応力)モデルは、とくに接地境界層において風速勾配および温位勾配に対するモーニン・オブコフの普遍関数や乱流プラントル数を最も精度よく解析しうるモデルであることを明らかにした。 (3)MY(Mellor-Yamada)モデルは浮力による圧力再分配項を無視しており、その結果モデルパラメータが少ないという利点をもつが、水平速度変動量が過小評価され、汚染物質の水平広がりが抑制されることを明らかにした。また、修正MYモデルはMYモデルのこの短所を改良しているが、MYモデルとともに基本乱流量である乱流長さスケールの算定法に課題が残されていることを明らかにした。 4)KEASMはMYモデルで無視された浮力による圧力再分配効果に加えて地面による圧力再分配効果への影響をも考慮することにより精度が他のモデルに比べてよくなっていることを明らかにした。しかしMY系モデルと同様に、このモデルにも基本乱流量である乱流エネルギー粘性消散率の算定法に課題があることがわかった。
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