2002 Fiscal Year Annual Research Report
鉄硫黄クラスター形成反応の分子機構:Isc蛋白質群の構造と機能的相互作用の解明
Project/Area Number |
13680690
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 康弘 大阪大学, 大学院・理学研究科, 講師 (10154874)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大岡 宏造 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30201966)
福山 恵一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80032283)
|
Keywords | 鉄硫黄蛋白質 / 鉄硫黄クラスター / iscオペロン / sufオペロン / 分子間相互作用 / 機能マシナリー / IscS / IscU |
Research Abstract |
鉄硫黄(Fe-S)蛋白質は、非ヘム鉄と無機硫黄原子から成るFe-Sクラスター([2Fe-2S]または[3Fe-4S]、[4Fe-4S])を持つ蛋白質の総称であり、細菌から高等動植物まで優に100を越える種類が分布している。これらのFe-Sクラスターはポリペプチドの翻訳後、蛋白質内部に形成されるものであるが、その形成機構は長い間未知の課題として残されていた。近年、我々は、過剰発現させるとFe-Sクラスター形成能を大幅に増加させる遺伝子群として大腸菌のiscオペロン(iscRSUA-hscBA-fdx-ORF3)を同定し、これら遺伝子群の個別破壊株の解析から、Fe-Sクラスター形成を担う機能マシナリーであることを明らかにした。本年度はこれを発展させ、成分間の相互作用について解析を進めた。まず、two-hybrid法とpull-down法を併用し、ISCマシナリー内における複雑な機能ネットワークの実体を明らかにした。また、IscS-IscU間の相互作用について詳細な生化学的解析を行い、Fe-Sクラスター中間体形成の初発過程に関して重要な知見を得た。一方、iscオペロンの欠失変異体から生じた偽復帰変異体を契機として、独立した第二のFe-Sクラスターアセンブリー装置として、sufABCDSEオペロン(これまで機能未知)にコードされるSUFマシナリーを見出した。ISCとSUFマシナリーの成分を比較すると、SufA/IscA、SufS/IscSはパラロガスな関係にあるが、それ以外の成分の類似性は無い。SUFマシナリーの成分は古細菌、グラム陰性細菌、ラン藻、(葉緑体)など、ISCマシナリーを持たない生物に広く分布している。Fe-Sクラスター合成系の進化を考える上でも、大変意義深い発見である。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Shin-ichiro Kato: "Cys328 of IscS and Cys63 of IscU are the sites of disulfide bridge formation in a covalently-bound IscS/IscU complex : Implication for the mechanism of iron-sulfur cluster assembly"Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 99・(9). 5948-5952 (2002)
-
[Publications] Umechiyo Tokumoto: "Network of Protein-Protein Interaction among Iron-Sulfur Cluster Assembly Proteins in Escherichia coli"J. Biochem.. 131・(5). 713-719 (2002)
-
[Publications] Hisaaki Mihara: "The iscS gene is essential for the biosynthesis of 2-selenouridine in tRNA and the selenocysteine containing formate dehydrogenase H"Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 99・(10). 6679-6683 (2002)
-
[Publications] Yasuhiro Takahashi: "A third bacterial system for the assembly of iron-sulfur clusters with homologs in archaea and plastids"J. Biol. Chem.. 277・(32). 28380-28383 (2002)