2001 Fiscal Year Annual Research Report
ヒストンのアセチル化を介した免疫グロブリン発現制御機構の解明のための研究
Project/Area Number |
13680768
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
武知 進士 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (10222100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 秀彦 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (10301384)
中山 建男 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (60031712)
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Keywords | ヒストン / 脱アセチル化酵素 / 転写制御 |
Research Abstract |
真核細胞のクロマチン構造は様々な要因により多様な動態を取り得ることができ、この動態を規定する要因としてコアヒストンのアセチル化などの化学修飾がある。本研究課題は、高等真核細胞におけるヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)によるクロマチン構造変化に基づく転写制御機構を、ニワトリBリンパ細胞株DT40における免疫グロブリン(IgM)重鎖(H-鎖)発現制御機構をモデルシステムとして、分子レベルで解明することを目的とする。 本研究で本年度得られた知見、成果を以下に要約する。 1)chHDAC-2欠失ホモ変異株(ΔchHDAC-2)におけるIgM-H鎖転写制御領域のクロマチン構造変化を野生型DT40とΔchHDAC-2の間でのnuclease高感受性の変化を解析した。両者で僅かな差が認められたことから、chHDAC-2によるin vivoでの当該領域のクロマチン構造変化は非常に限定的かつ過渡的である事が示唆された。 2)ΔchHDAC-2の2D-PAGEパターンで著しく増加した蛋白質がIgM-H鎖とL鎖であることから、IgM-L鎖の転写量もchHDAC-2により制御される可能性があり、IgM-H鎖とL鎖の転写を同時に制御する転写制御複合体の存在が示唆された。これを検証するためにin vivo並びにin vitroでの両者の複合体形成能をchHDAC-2特異抗体を用いた免疫沈降法により解析する。
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