2003 Fiscal Year Annual Research Report
マムシとパイソンの赤外線受容器(ピット器官)の血流量調節機構と自律神経系の比較
Project/Area Number |
13680825
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
跡部 好敏 横浜市立大学, 医学部, 助手 (60264602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 真人 横浜市立大学, 医学部, 助手 (50237351)
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Keywords | マムシ / パイソン / 赤外線受容器(ピット器官) / 血管網 / 血流量調節機構 / 顔面神経 / 蛍光ビーズ / 高感度高速度ビデオカメラ |
Research Abstract |
マムシやパイソンのピット器官血管網の血流量は赤外線受容時に迅速に変化することと、マムシのピット器官に分布する三叉神経末梢枝のうち、顔面神経口蓋枝と連絡がある上顎神経深枝に翼口蓋神経節細胞群が散在することより、この血流量調節には顔面神経由来の副交感神経が関与する可能性が予想された。マムシ顔面神経については各末梢枝へのHRP注入実験や、遠心性起始細胞の代表的マーカーであるコリンアセチルトランスフェレース(ChAT)抗体を用いた脳幹部連続切片についての免疫組織化学染色により、唾液核を含めた遠心性起始細胞および求心性投射の標識および各末梢枝に含まれる成分の同定に初めて成功した。マムシ顔面神経の遠心性起始細胞(顔面神経運動核および上唾液核)については、他の爬虫類と類似していたが、求心性投射に関しては鼓索神経に含まれているものの全てが三叉神経下行路核へ終末し、孤束および孤束核への終末は口蓋枝にごくわずか存在するのみで、通常とは大きく異なっている。しかし、顔面神経口蓋枝を切断した後も、赤外線刺激に対するピット器官血管網の血流量変化は不変で、ピット器官に分布する三叉神経末梢枝をすべて切断して初めてこの血流量変化が完全に消失した。このことより、赤外線刺激受容時に生じる迅速な血流量変化は、顔面神経が関与しない局所的な反応であることが確実となった。局所血流速度の絶対値を測定するために、血球のモデルとして直径3μmのFITC標識蛍光ビーズを血中に注入し、蛍光実体顕微鏡と高感度高速度ビデオカメラを組み合わせたシステムを用い、刺激時および無刺激時について250コマ/秒の画像を録画記録し、動態解析ソフトで計測を行った。その結果、照射部位の毛細血管の血流速度は赤外線受容時に約50%増加するが、その周囲では増加の度合いが急激に小さくなることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Tatsuya Hisajima: "Distribution of myelinated and unmyelinated nerve fibers and their possible role in blood flow control in crotaline snake infrared receptor organs"The Journal of Comparative Neurology. 449. 319-329 (2002)
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[Publications] Richard C.Goris: "The microvasculature of python pit organs : morphology and blood flow microkinetics"Microvascular Research. 65. 179-185 (2003)
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[Publications] Yoshitoshi Atobe: "The medullary efferent and afferent neurons of the facial nerve of the pit viper, Gloydius brevicaudus"The Journal of Comparative Neurology. (印刷中). (2004)