2001 Fiscal Year Annual Research Report
後部帯状回における扁桃体および海馬体機能の統合による行動出力機構
Project/Area Number |
13680865
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
田淵 英一 富山医科薬科大学, 医学部, 講師 (70272911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 悦郎 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (90313600)
梅野 克身 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (90086596)
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Keywords | 大脳辺縁系 / 帯状回 / 後部帯状回 / 扁桃体 / 海馬体 / ニューロン / 相互相関法 / 行動出力 |
Research Abstract |
大脳新皮質の内側にある大脳辺縁系は、扁桃体、海馬体、帯状回などの領域を含み、情動、空間認知、エピソード記憶およびそれらに基づく行動の遂行に重要な役割を果たしている。本研究では、後部帯状回から同時に複数の単一ニューロン活動を記録し、空間的な感覚刺激-報酬連合学習課題に対する応答性を調べ、相互相関解析法を用いてニューロン間のシナプス結合性を解析する。これらにより、辺縁系における情報処理のうち、とくに行動出力の統合機構の解明を試みる。 平成13年度は当初の予定どおり、1)データ記録・保存・解析システムを構築した後(担当:梅野)、2)ラット5匹を無痛的に特殊脳定位固定装置に固定するための手術を行い(担当:田淵)、3)ラットに感覚-報酬連合課題の訓練を行い(担当:堀)、4)各種感覚や報酬刺激に対する後部帯状回の単一ニューロン活動の記録を開始した(担当:田淵)。現在、ニューロン活動の記録と単一ニューロンレベルの解析を行っている。解析では、記録した複数のニューロン活動をクラスター解析により単一ニューロンに単離した後、対照期、感覚条件刺激呈示期、遅延期および報酬獲得期(リック行動期)に分けて後部帯状回ニューロンの応答性を調べている。そこでは、新たな知見が既に得られており、1)多くの後部帯状回ニューロンが脳内自己刺激や蔗糖溶液を獲得する報酬期に応答したのに対し、報酬と連合したにもかわらず感覚条件刺激呈示期にはほとんど応答しないことや、2)後部帯状回にはリック行動と非常に高い相関を示すニューロンがいくつか存在することが見つかっている。 平成14年度は、ニューロン活動の記録を完了し、単一ニューロンの応答性および相互相関解析による後部帯状回ニューロン間のシナプス結合性について調べる。そして、他の辺縁系部位のニューロン応答性と比較・解析して行動発現における辺縁系内機能局在の解明を試みる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Tabuchi, E., Mulder, A. B., Wiener, S. I.: "Reward value invariant place responses and reward site associated activity in hippocampal neurons of behaving rats. Hippocampus, in press"Hippocampus. (in press). (2002)
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[Publications] Hori, E., Tabuchi E., Matsumura, N., Tamura, R., Eifuku, S., et al.: "Representation of place by monkey hippocampal neurons in real and virtual translocation"Hippocampus. (in press). (2002)
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[Publications] Zugaro, M. B., Tabuchi, E., Fouquier, C., Berthoz, A., Wiener, S. I.: "Active locomotion increases peak firing rates of anterior dorsal thalamic head direction cells"Journal of Neurophysiology. 86. 692-702 (2001)