2003 Fiscal Year Annual Research Report
生分解性スキャホールド表面での細胞内直接遺伝子導入を利用した組織再生
Project/Area Number |
13680936
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
山岡 哲二 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (50243126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 良晴 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (10132276)
村上 章 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (60210001)
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Keywords | 遺伝子導入 / 非ウィルス合成ベクター / 組織再生 / ルシフェラーゼ / 疎水基 |
Research Abstract |
カチオンキャリヤーとプラスミドDNAとの複合体を利用した細胞への遺伝子導入法を、組織再生工学に応用するためには、(1)高い導入効率、および(2)ポリ乳酸系スキャホールドからのDNAの徐放化が重要である。従来型の水溶性カチオンベクターに少量のステアリル基を導入した新規ベクターが、上記の両条件、特に条件(1)に大きな効果をもたらす機構が解明できた。これらのキャリヤー分子がのミセル様構造がAFM測定により確認され、さらに、DNAとの複合体はこのミセルが多く集合したブドウ状複合体であった。直鎖状ポリカチオンと異なり、ナノミセル状キャリヤーはDNA分子との複合体における絡み合いの度合いが小さく、容易に解離する(DNA分子を放出する)ポリアニオン交換反応試験により明かとなった。また、この現象が、細胞内でも起こっていることを視覚化することが重要と考え、FITCでラベルしたDNA分子とCy3でラベルしたキャリヤー分子とからなる複合体内で起こる、蛍光エネルギー移動現象(FRET)を利用したトレーシング実験を行った。その結果、偽ミセル状態(完全なフローズンミセルまでは至らない状態のミセル様構造)のキャリヤーが、DNA分子を細胞内に効率よく送達できる上に、細胞内で、速やかにDNA分子と解離することで、高い発現効率を誘導することが明かとなった。一方、従来の複合体では、いわゆるバースト効果により数時間のうちにポリ乳酸スキャホールドからの放出が終了するのに対して、子のナノミセル型キャリヤーにより、約2週間にわたる徐放化に成功した。CMVプロモーターの下流にVEGFを挿入したプラスミドの作製が完了し、予備的ながらin vivoでの血管床誘導実験の着手にも漕ぎつけた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] A.Mahara, R.Iwase, T.Sakamoto, T.Yamaoka, T.Yamana, A.Murakami: "Detection of acceptor site for antisense oligonucleotides on native folded RNA by fluorescence spectroscopy"Bioorg.Med.Chem.. 11. 2783-2790 (2003)
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[Publications] N.Shimada, R.Iwase, T.Yamaoka, A.Murakami: "Design of RNA-binding oligopeptides based on information of RNA-binding protein"Polymer Journal. 35. 507-512 (2003)
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[Publications] A.Yamayoshi, R.Iwase, T.Yamaoka, A.Murakami: "Psoralen-conjugated oligonucleotides with hairpin structure as a novel photo-sensitive antisense molecule"Chemical Communications. 2003Jun21. 1370-1371 (2003)
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[Publications] T.Yamaoka, T.Tamura, Y.Seto, T.Tada, S.Kunugi, D.A.Tirrell: "Mechanism for the Phase Transition of a Genetically Engineered Elastin Model Peptide (VPGIG)_<40> in Aqueous Solution"Biomacromolecules. 4. 1680-1685 (2003)
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[Publications] K.Kubo, M.Ichikawa, K.Yoshikawa, T.Niidome, T.Yamaoka, S.Nomura: "Optically driven transport into a living cell"Appl.Phys.L.. 83. 2468-2470 (2003)
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[Publications] N.Shimada, R.Iwase, T.Yamaoka, A.Murakami: "Selection of RNA-binding peptides containing an Arg-rich motif"Chem.Lett.. 2004. 212-213 (2004)
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[Publications] 石原一彦, 畑中研一, 山岡哲二, 大矢裕一: "バイオマテリアルサイエンス"東京化学同人. 218 (2003)