2001 Fiscal Year Annual Research Report
骨膜性軟骨形成能における年齢依存性変化と成長因子作用の関連性について
Project/Area Number |
13770808
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
伊藤 陽一 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (00326266)
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Keywords | 軟骨再生 / 軟骨修復 / 骨膜 / 年齢 / cambium layer / fibrous layer |
Research Abstract |
日本白色家兎(2,4,6,12,24ヵ月齢)の脛骨近位内側部の非剥離状態の骨膜の組織学的検討を行った。骨膜はcambium layerとfibrous layerにより構成されているが、cambium layer thicknessとcellularityは年令依存性に低下した。特に家兎の骨端線が閉鎖すると思われる6ヶ月齢以降において著明であった。一方、fibrous layer thicknessの年令依存性低下は、cambium layerにおける程有意なものではなかった。さらに、骨膜を皮質骨より剥離採取した際のcambium layerの採取可能な割合は、年令依存性に低下し、12,24ヶ月齢ではcambium layerの採取が非常に困難であり、組織学的にはcambium layerをほとんど認めなかった。ついで、in vitro Organ Culture Model Systemで、骨膜性軟骨形成を組織学的に観察したが、2ヶ月齢において最高であり、後は年令依存性に軟骨形成の低下傾向を認め、特に12,24ヶ月齢では軟骨形成をほとんど認めなかった。これは骨膜内の軟骨前駆細胞が局在すると考えられているcambium layerが年令依存性に採取困難になることと、cambium layer cellularityが年令依存性に低下することによるものと推測できた。PCNA immunostainingで検討した、新生軟骨細胞の増殖能力では、細胞形態により違いを認め、肥大軟骨細胞と思われる群で低下している傾向にあった。今後は、IGF-1を中心とした成長因子を投与した後の軟骨形成の変化を中心に検討していく予定である。
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