2001 Fiscal Year Annual Research Report
バングラデシュ農村における環境の季節変化からの回復能力とその変容
Project/Area Number |
13780054
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
池田 恵子 静岡大学, 教育学部, 講師 (60324323)
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Keywords | 季節性 / 冠水 / 回復能力 / 農村就業構造 / 農村開発 / 農村金融市場 / バングラデシュ |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、バングラデシュ農村における環境の季節変化(主に雨季の冠水)からの貧困層の「回復能力」の構成要素を解明し、その変容をマクロな社会経済変動の影響という視点から究明することである。本年度は研究計画を予定通り遂行し、以下の成果を得た。 1.方法論上の検討。開発途上地域の環境と政治経済の相互変化の関係性について、実証研究が比較的多く蓄積されているアフリカ地域の研究事例を収集し、それらを検討することにより、(1)財産(経済的のみならず、社会的、政治的、人材的な側面も含む)、(2)活動、(3)財産と活動へのアクセス(制度、社会組織、規範など)の3概念を中心に、「回復能力」の構成要素について分析の枠組みを作成した。 2.国内での資料収集。これら「回復能力」の構成要素に影響する具体的なマクロな社会経済変化の事象について資料収集し、取りまとめた。 (1)バングラデシュの農村生態環境(とりわけ灌漑・排水設備の整備)の変化、および制度金融の普及については、動向を地域別に把握してとりまとめた。(2)就業機会・就業構造の変化に関しては,従来の主生業-副業という捕らえ方では不十分と思われ、多就業に注目して、調査対象村の既存のデータを再整理し、発表した(11.研究発表、雑誌論文、参照)。 3.乾季のバングラデシュ現地調査。 上記1及び2の研究成果を受け、平成14年2月19日より3月16日まで、乾季の現地調査を実施した。ボリシャル県ウジルプール郡の調査対象農村において、上記1.の「回復能力」の構成要素の分析枠組みに従い貧困世帯住民への聞き取りを行った。またダカ市(ダカ大学、バングラデシュ開発研究所など)において、関連分野の研究者から意見を聴取し、資料を収集した。
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