2004 Fiscal Year Annual Research Report
極限の多色・超短パルスレーザー光の発生とその最先端科学技術への応用
Project/Area Number |
13853006
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
今坂 藤太郎 九州大学, 工学研究院, 教授 (30127980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣川 昭二 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (80156702)
内村 智博 九州大学, 工学研究院, 助手 (40346820)
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Keywords | 超短パルス光 / 高繰り返しレーザー / 誘導ラマン散乱 / 四波ラマン混合 / ラマン共振器 / 多色レーザー |
Research Abstract |
平成16年度は本研究の中心的な研究課題である(1)極限の超短パルス光発生(2)超高繰り返しパルス光発生の実現に近づく画期的な実験成果を得た。 (1)極限の超短パルス光発生 1.ラマンコヒーレンスによるフェムト秒パルス強度変調機構を解明し、フェムト秒レーザー励起誘導ラマン散乱の新メカニズムを提案した。非線形シュレディンガー方程式にラマン分極の項を付加することにより、誘起されたラマンコヒーレンスによるパルス圧縮機構を定式化した。また、伝搬中に時空間カップリング効果により受ける強度変調効果がラマンコヒーレンスの励起に対して本質的な役割を果たしている事を明らかにし、波形整形されたフェムト秒励起パルスよる誘導ラマン散乱の制御に初めて成功した。 2.近紫外光励起・紫外光プロープ法によって、高次回転ラマン光および、高次振動ラマン光の発生に初めて成功した。この現象は励起光によってdisplaciveに励起されたラマンコヒーレンスによる高効率ラマン過程であることを指摘した。 3.紫外260nm光による高次振動ラマン光の発生に成功し、その時間波形評価装置となる光電子増倍管の2光子吸収原現象を利用したオートコリレータを構築した。紫外域において得られたスペクトルは、対応する時間幅として2.5fsを有し、群速度分散補正によって極限の紫外超短パルスの発生への道を開いた。 (2)超繰り返しパルス光の発生 1.光フィネス共振器へのモードマッチングの高度化を達成し、多波長共振の実現とそれに伴う連続発振回転ストークス光の高効率発生(>50%)に成功した。また、波長および共振器長の最適化により、連続発振回転反ストークス光の発生の観測にも成功した。 2.連続波励起光・回転ストークス光干渉による17THzもの超高速連続光波強度変調に世界で初めて成功した。このような高速光波変調は他に例がなく、世界記録の更新したと考えられる。
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Research Products
(4 results)