2015 Fiscal Year Annual Research Report
植物の土壌環境適応戦略における選択的スプライシングの機能的、進化的解析
Project/Area Number |
13J08293
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
西田 翔 広島大学, 大学院生物圏科学研究科, 助教
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 選択的スプライシング / 栄養 / 植物 / 土壌 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)亜鉛超集積植物Noccaea japonica由来ZNT1/ZIP4のsplicing isoformの機能解析: 本年度は、アブラナ科植物が共通して持つZNT1/ZIP4の生理学的機能を明らかにすることを目的に、シロイヌナズナのAtZIP4の機能解析を行った。ノックアウト変異株と過剰発現株を用いた解析の結果、AtZIP4はZn輸送体をコードしないことが示唆された。一方、N. japonicaが獲得したsplicing isoformと同様、N末端に欠損を持つAtZIP4の人工ORFをシロイヌナズナに過剰発現させたところ、植物中のZn濃度は有意に上昇し、N末端欠損型のAtZIP4がZn輸送体をコードすることがわかった。これまでの研究結果から、アブラナ科が共通して持つZNT1/ZIP4の機能は不明であるが、N. japonicaを含めたZn超集積性Noccaea属植物は、高重金属土壌環境に適応する過程でZn輸送体をコードするZNT1/ZIP4のsplicing isoformを獲得したと考えられた。
2)栄養欠乏ストレス下における選択的スプライシングの網羅解析: 本年度では、前年度までに絞りこまれた候補遺伝子の中から、K欠乏に特異的に応答してsplicingパターンが変化する転写因子遺伝子MYB59に着目した。RNA-Seqおよび定量PCRによる発現解析の結果、MYB59遺伝子からは主にDNA結合モチーフをコードする領域を一部欠損したisoformが転写されるが、K欠乏下では完全なDNA結合モチーフをコードするisoformの割合が有意に増加することが明らかとなった。先行研究において、MYB59の発現は主根の伸長を抑制する役割があることが示されている。本研究結果は、MYB遺伝子のsplicingパターンの変化を介した、栄養欠乏に応答した根の伸長制御の存在を示唆している。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] A Decrease in Phytic Acid Content Substantially Affects the Distribution of Mineral Elements within Rice Seeds2015
Author(s)
Hiroaki Sakai, Toru Iwai, Chie Matsubara, Yuto Usui, Masaki Okamura, Osamu Yatou, Yasuko Terada, Naohiro Aoki, Sho Nishida, Kaoru T. Yoshida
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Journal Title
Plant Science
Volume: 238
Pages: 170,177
DOI
Peer Reviewed
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