2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14046220
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
杉本 章二郎 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (20044753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 正 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10283582)
小松原 健 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (30242168)
小林 正明 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (40013388)
笹尾 登 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10115850)
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Keywords | K中間子 / CP非保存 / 小林・益川理論 / 稀崩壊 / 国際研究者交流(米加露) / エアロジェル / 光子検出器 |
Research Abstract |
(I)米国BNL研究所において、大強度陽子加速器AGSで作られた大量のK^+中間子を静止させて、稀崩壊モードの検出実験を行った。ここで得られたデータ量は静止K^+中間子1.8×10^<12>に達した。 (II)収集した実験データに対する検出器の較正・補正を終了した。計算機によるデータの物理解析としてK^+→π^+νν(測定領域1)とπ^+γγの崩壊モードについての選別、バックグラウンドノイズの除去法の研究、効率の良いシグナル事象収集法の研究を実施した。 (III)新たな測定領域(Pπ<195MeV/c)でのK^+→π^+νν検出に不可欠な、静止ターゲット周りの荷電粒子とγ線の検出効率向上を目的として、下記の3つの研究を行った。 a)入射粒子選別とターゲット静止点を決めるために、円盤型シリコンストリップ検出器を設計製作。 b)K→π→μ→e崩壊確認用1GHz/500MHz高集積度トランジェントデジタイザーの開発。 c)ターゲットから発生するγ線を捕らえる結晶シンチレータやチェレンコフ物質の開発研究。 (IV)次期研究の「K^+飛行崩壊実験」に必要なγ線検出効率の高い検出器と、シリアルリンクを用いた高速データ収集の共同開発研究を、米国FNALのCKMグループと開始した。 (V)中性K中間子物理研究のために、大量の中性ビーム中に設置する新しいコンセプトの光子検出器「鉛コンバータとエアロジェル放射体の組合わせモジュールを離散的、多層に配置した装置」のプロトタイプを製作した。 (VI)電子ビームによる光量測定、陽子ビームによる中性子反応の類推など多方面からその性能を確認し、期待どおりの性能達成の実証に成功した。 (VII)予期しなかったガスシンチレーションの効果を発見し、その影響などの研究も発展させた。 (VIII)これらの結果は秋、春の物理学会で報告され、修士論文と学士論文としてまとめられた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] S.Adler et al.: "Search for the rare decay K^+→π^+γ"Physical Review D. 65-5. 052009 (2002)
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[Publications] S.Adler et al.: "Search for the decay K^+→π^+ νν in the momentum region P_π<195 MeV/c"Physical Letters. B537. 140-148 (2002)
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[Publications] M.Kobayashi et al.: "Doping PbWO4 with different ions to increase the light yield"Nuclear Instruments and Methods in Physics Research. A486. 170-175 (2002)
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[Publications] N.Senguttuvan et al.: "Crystal growth and luminescence properties of Li_2B_4O_7 single crystals doped with Ce, In, Ni, Cu and Ti ions"Nuclear Instruments and Methods in Physics Research. A486. 264-267 (2002)
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[Publications] S.Sugimoto, Y.Tamagawa: "Proceedings of the workshop on Kaon Decay Physics and Near-future Projects"E949-Japan, IPNS-KEK. 215 (2003)