2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14102005
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
岩崎 雅彦 独立行政法人理化学研究所, ミュオン科学研究室, 主任研究員 (60183745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 恭幸 独立行政法人理化学研究所, ミュオン科学研究室, 研究員 (70321817)
石元 茂 高エネルギー加速器研究機構, 素核研, 助手 (50141974)
板橋 健太 独立行政法人理化学研究所, ミュオン科学研究室, 研究員 (30322093)
STRASSER Patrick 独立行政法人理化学研究所, ミュオン科学研究室, 協力研究員 (20342834)
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Keywords | K中間子 / 束縛状態 / 分光 / 中性子星 / 飛行時間計測 / カイラス対称性 / E471 / 超高密度 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、文科省高エネルギー加速器研究機構・12GeV陽子シンクロトロン研究(KEK-12GeV-PS)において^4He(静止K^-,n)反応を用いたK中間子の深い束縛状態の探索実験(E471)のデータ収集とそのデータ解析を精力的に行った。反応の中間過程でKがppnと強い束縛状態を形成すれば、単色高エネルギーの中性子が生成される。K中間子を液体ヘリウム標的に静止させ、K中間子吸収反応から生成する中性子を左右の中性子検出用プラスチックシンチレータで計測し、そのエネルギーを飛程-時間法(TOF)で決定した。また、正確な反応点を同定するため、反応で生成した荷電粒子の飛程を上下のチェンバーで検出した。昨年度のデータの解析結果から非常に薄いヘリウム標的を使用する必要のないことが判明したため、厚い標的に更新して、統計を大きく向上させたことが今年度のデータ収集の特徴である。 データの詳細な解析を現在も行っているが、Σ崩壊起因と考えられる比較的速い荷電πによってトリガーされた事象の中性子運動量スペクトル上で、470MeV/c付近に構造が見いだされ、その構造は、Kppn中間状態がΣNN終状態を形成したと考えられる方向にのみ3.6σの標準偏差のピークとして存在することが確認された。これが、Kppn碑中間状態の形成によるとすれば、170〜180MeVという、実験前の理論的予想を上回る極めて大きな束縛エネルギーに対応する。これはカイラル対称性の核中での回復が起こっていることを強く示唆するデータであり、ハドロン質量の起源を探る上で重要な手がかりをなる可能性が高い。 この結果を、10月のJlab(米国)でのハイパー核およびストレンジネスの国際会議で発表するとともに、PLB誌に投稿した。
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