2003 Fiscal Year Annual Research Report
ガンマ線バーストの最大の赤方偏移と宇宙で最初に出来た天体の同定
Project/Area Number |
14204024
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 卓史 京都大学, 大学院・理研究科, 教授 (80155837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 行泰 国立天文台, 機器開発センター, 教授 (50170361)
中川 貴雄 宇宙航空研究開発機構, 教授 (20202210)
村上 敏夫 金沢大学, 理学部, 教授 (60092350)
梅村 雅之 筑波大学, 計算物理センター, 教授 (70183754)
米徳 大輔 金沢大学, 理学部, 助手 (40345608)
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Keywords | ガンマ線バースト / 初期宇宙 / 星生成率 / 赤外線観測 |
Research Abstract |
本研究は、最大赤方偏移を持ったガンマ線バーストを観測し、それを使った最も初期の宇宙の研究を目的としている。 ガンマ線バーストでは、既にz-4,5の距離のガンマ線バーストが観測から確認されている。一方最近の米徳などの解析にから、ガンマ線バーストは既にz-10程度の初期宇宙からも来ていることが推定されている。しかし具体的に距離を実証する観測は行われていない。我々は、推定される距離を観測で確認すべく、赤外線での分光観測を計画した。しかも、短時間で終わってしまうガンマ線バーストフラッシュや残光にも対応できるシステムを作っている。 本年度に入り、可視光領域で分光観測を行う装置と観測体制はほぼ出来上がった。可視光に限ると距離ではz-6程度しか観測できない。満足できるものではないが、まずこの領域での試験観測をおこなっている。ガンマ線バーストの位置情報はHETE-2衛星から得ているが、発生の頻度は低い。アメリカのSwift衛星の打ち上げが遅れており、Swift衛星に対応した観測は2004年9月ころになると考えられる。 Z-10を目指した赤外線観測装置は、現在PICNIC(CdHgTe)検出器がやっと像を出すようになり、平行して冷却系の開発も行われている。来年度には赤外線領域での分光装置を開発し、Swift衛星に対応して赤外線での観測が間に合えばと考えている。 中村を代表とした理論グループでは、装置の設計の最適化を検討すると同時に、ガンマ線バーストの総合理解に向けて、研究会を組織し、論文を書いている。昨年は、理研と協力して12月に国内、国外の研究者を集めて「ガンマ線バースト天文学の新たな地平」なる国際研究会を組織した。中村やその学生である山崎や米徳などの仕事が注目を集めた。Off-axis Jetを使った統一的な解釈が成功をおさめている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yamazaki, R., Nakamura, T.et al.: "Delayed Flashes from Counter-jets of GRBs"ApJ. 591. 283-287 (2003)
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[Publications] Yamazaki, R., Ioka, K.Nakamura, T.: "Cosmological X-ray flashes in the off-axis jet model"ApJ. 593. 941-945 (2003)
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[Publications] Imanishi, M., Nakagawa, T.et al.: "X-Ray Evidence of a Buried Active Galactic Nucleus in UGC5101"Astrophysical Journal. 596. 167-170 (2003)
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[Publications] Yonehara, A., Umemura, M.et al.: "Quasar Mesolensing : Direct Probe to Substructure around Galaxies"PASJ. 55. 1059-1078 (2003)
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[Publications] Murakami, T., Yonetoku, D.et al.: "One approach to the star-formation history inferred from the GRB lag-luminosity relation"PASJ. 55. 65-68 (2003)
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[Publications] Ioka, K: "The cosmic dispersion measure from GRB afterglows : probing the reionization history and the burst environment"Astrophysical Journal. 598. 79-82 (2003)