2005 Fiscal Year Annual Research Report
ガンマ線バーストの最大の赤方偏移と宇宙で最初に出来た天体の同定
Project/Area Number |
14204024
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Research Institution | Department of Physics, Graduate School of Science, Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 卓史 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80155837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 敏夫 金沢大学, 大学院・自然研究科, 教授 (60092350)
中川 貴雄 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 教授 (20202210)
小林 行泰 自然科学研究機構, 国立天文台・機器開発センター, 教授 (50170361)
米徳 大輔 金沢大学, 大学院・自然研究科, 助手 (40345608)
須佐 元 立教大学, 理学部, 助教授 (00323262)
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Keywords | ガンマ線バースト / 初期宇宙 / 星生成率 / 赤外線観測 |
Research Abstract |
本研究は、大別して二つの活動により構成された。一つは実験的研究である。中型望遠鏡を使って、ガンマ線バーストの爆発中の巨大な明るさを使い、大型装置であるために遅れがちになる観測に先駆けて観測することであった。初期のガンマ線バーストの明るさを利用して、巨大望遠鏡では観測が不可能なほどに遠い(初期宇宙の)天体を観測しようとするものであった。もう一つは理論的研究である。ガンマ線バーストの発生メカニゾムの理論的解釈には、まだまだ解明されていないことが多く、それを解明することを目的に、研究者を束ねて研究会を組織することであった。 実験・観測的研究では、急速に減光するガンマ線バーストの残光を、宇宙科学研究所屋上に設置された中型の1.3m光学・赤外線望遠鏡を使ってリアルタイムに観測し、距離を決めることを活動の目的としていた。観測装置の開発に2年を必要とし、可視光での観測には成功したが、赤外線での観測にはまだ成功していない。これには、Swift衛星が活動を始めたのが,2005年2月になったことも影響している。可視光観測では,ガンマ線バースト発生から17分後に、残光を17.4等級で捉えて、その減光を確認した。大型望遠鏡では届かないz〜7より遠い初期宇宙を観測するには、ガンマ線バースト発生数時間以内に、赤外線での残光観測が必要であるが、今回はまだ赤外線での観測は行われなかった。幸い、この科研費の期間中に、赤外線観測装置の開発は終了したので,今後は本格的な観測のために、数年の継続観測を考えている。来年度以降は、新たな基盤研究を申請している。赤外線で観測に成功し、しかも分光して距離を求めることを達成したい。 理論的な側面では、中村が中心となって、毎年12月に研究会が開催されて来た。今回は金沢大学で開催された。参加者は毎年確実に増えており、ガンマ線バーストにたいする関心は広がっている。今年度は、Suzaku衛星が打ち上げられ、Suzakuのガンマ線バースト検出器によりバーストが検出されるようになり、ふたたび国内のガンマ線バーストグループは活気を見せている。理論では、off-axisなる概念で統一的に理解する試みや、shortガンマ線バーストの起源を巡って理論的な解釈が活発に行われた。
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Research Products
(6 results)