2005 Fiscal Year Annual Research Report
太陽系初期における揮発性元素の挙動-隕石中の希ガスの主要担体Qの徹底解明-
Project/Area Number |
14204056
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松田 准一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80107945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土山 明 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90180017)
松本 拓也 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50294145)
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Keywords | 同位体 / 質量分析 / 希ガス / 隕石 / 炭素 / Q |
Research Abstract |
今年度は以下のような研究を行った。 1.化学処理ではなく純粋に物理的な方法で、希ガスの濃縮成分を分離する技法は、我々が炭素質隕石について世界で初めて見つけたものだが、この技法は普通コンドライトのHコンドライトではうまくいかないことが昨年度判明した。その同じ技法を今年度はアレンデと同じ炭素質コンドライトのCMコンドライトのマーチソン隕石に適用して実験を行なった。フラクションの分離に成功し、希ガス測定を行ったが、またもや希ガスは入っていない事が測定の結果判明した。得られたフラクションは化学残渣のようなものでない。物理的分離法は、これまでアレンデのような炭素質隕石CVコンドライトでは成功したのに、同じ炭素質隕石のCMコンドライトでも成功しないことがはっきりしたが、この原因については、まだ分からない。水に浮くこととも関係して、このことがQの性質に関係しているのかも知れない。 2.CMのマーチソン隕石の純粋に物理的な方法で、分離したフラクションについて、電子顕微鏡観察を行った。化学成分としては、O,Si,Mg,C,Caなどが見られ、シリケイトが主成分であり、アレンデのように炭素物質が卓越している試料ではないことが分かった。 3.鉄隕石Canyon Diabloのグラファイト包有物について、Qの存在を確認して、新たな希ガス成分(El Taco Xe)があることを見つけたが、それが論文として、採択されて、印刷された。 4.希ガスの担体は炭素質物質であることから、希ガス雰囲気下で、炭素蒸着する装置を組みあげ、その希ガスの取り込み効率、炭素同位体比の分別効果などを前年度に引き続き調べた。
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Research Products
(2 results)