2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14204062
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
城丸 春夫 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (70196632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田沼 肇 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (30244411)
奥野 和彦 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (70087005)
東 俊行 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (70212529)
兒玉 健 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (20285092)
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Keywords | 静電型イオン蓄積リング / 冷イオン / イオン衝突 / フーリエ変換 / 質量分析 / 中性化 / 希ガスイオン / クラスター |
Research Abstract |
14年度に製作した静電型イオン蓄積リングを用いて以下に示す種々の実験を行った。 1:液体窒素による冷却実験と発熱量の計算 冷却試験の結果,円筒構造物は約20h後に液体窒素温度にまで冷却されることを確認した。電極は約40h後にこれを達成できると予想される。窒素温度平衡時における流入熱量は,概ね理論計算値どおりで,液体窒素消費量換算で約1.6L/hであった。また,冷却によって脱ガスが減少し真空度が向上した。この発熱量を基に液体窒素再凝縮装置の仕様を決定した。再凝縮装置は年度末に完成した。 2:イオン入射系、中性粒子検出系の製作と立ち上げ デュオプラズマトロンで生成したイオンをウィーンフィルターで質量選別してリングに打ち込む装置を製作した。また蛍光板つきのMCPにφ45mmCCDカメラを組み合わせ、中性粒子の検出およびイメージングシステムを製作した。またレーザー蒸発法によるリング打ち込み用クラスターイオン源を立ち上げた。 3:イオンの蓄積実験 20keVのNe+を静電リングに打ち込み周回(1周約18μs)させた。真空度に問題があったため寿命は比較的短く半減期約100msであったが、20000周程度は問題なく周回した。残留ガスとの衝突で中性化した粒子の信号はイオン周回に対応した周期で観測されるので、この信号をフーリエ変換したところ非常に鋭いピークが得られ、リングが高分解能質量分析装置として動作することが示された。またAr+の蓄積実験も行った。 4:異種イオンの同時蓄積実験 Xe+を蓄積し、中性信号をフーリエ変換したところ、同位体が分かれて観測され、静電リングによる異種イオンの同時蓄積が始めて確認された。 以上の結果は論文として発表するとともに内外の学会で報告した。
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Research Products
(1 results)