Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 伸 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (40228309)
石井 一暢 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (70301009)
谷 宏 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (80142701)
近江谷 和彦 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (80002062)
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Research Abstract |
本研究で開発したリモートセンシングシステムを用いて,小麦ほ場のセンシングを行った。入射光である環境光量と,イメージングセンサの制御項目であるCCDゲイン,露光時間で画像を補正し,絶対量として扱える正規化反射率を導出した。また,小麦ほ場に存在する防除畝を画像中から自動で認識・除去できるアルゴリズムを開発した。小麦ほ場のセンシング試験では,地上での調査項目としてSPAD値と穂水分を実測し,生育推定のグランドトゥルースとした。マルチスペクトル画像から得られる正規化反射率を用いてNDVIとGNDVIを算出し,重回帰分析の説明変数とした。その結果,推定モデルの決定係数は穂水分が0.77,SPAD値が0.85であり,極めて高精度の推定が可能であった。また,得られた推定モデルにより,穂水分,SPAD値それぞれのほ場マップを生成した。 さらに広域を撮影することで,リモートセンシングの作業能率向上を図った。まず,撮像範囲を広くとるため,イメージングセンサに広角レンズを装着した。広角レンズを使用して撮影した画像には,レンズ収差による歪みが生じたため,幾何的な補正が必要となった。そこで,多項式近似によるレンズ歪みモデルを当てはめ,キャリブレーションによりレンズ歪みの特性を同定した。また,これまでの機体直下を撮影する方式を改め,カメラに俯角を持たせた状態での撮影を行った。これにより,一度に広域をセンシングでき,作業効率は大幅に向上した。この方法で小麦のセンシング試験を行い,穂水分とSPAD値の推定を行った。その結果,決定係数は穂水分が0.71であり,SPAD値が0.79と十分な推定精度を示した。
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