2004 Fiscal Year Annual Research Report
食料の生産・流通・消費空間における安全性評価・確保システムの構築
Project/Area Number |
14206030
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
伊藤 和彦 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (70001477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 和弘 新潟大学, 農学部, 教授 (70188994)
豊田 淨彦 神戸大学, 農学部, 教授 (30144603)
守田 和夫 鹿児島大学, 農学部, 教授 (70210169)
TSENKOVA Roumian 神戸大学, 農学部, 助教授 (30294200)
北村 豊 筑波大学, 農林工学系, 助教授 (20246672)
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Keywords | 電気インピーダンス / 乳房炎 / 軟X線 / 強酸性電解水氷 / 高電場パルス殺菌 / 血卵 / 近赤外分光法 / 菌数予測モデル |
Research Abstract |
1.微生物・異物検出技術の開発に関して電気インピーダンスによる微生物検出法の開発について研究を行い,櫛状微小電極とロックインアンプを用いた高感度な電気インピーダンス測定システムを構築し,イースト菌及びブドウ球菌の初期菌濃度の検出に成功した。 2.近赤外分光法を用いSIMCA法による乳房炎原因菌の一つである黄色ブドウ球菌の識別モデル及び菌数測定モデルを構築しモデルの有効性を確認した。 3.軟X線スペクトル及び軟X線CTによる異物検出方法の有用性と新たな可能性について明らかにした。 4.微生物危害防止技術の開発に関して強酸性電解水およびこれを凍結した強酸性電解水氷を用いた加工野菜の殺菌法および流通中の品質保持法について新たな知見を求めた。 5.カビ毒であるアフラトキシンの除毒法について検討し,アルカリ水の利用と嫌気性消化法による方法が有効であることを明らかにした。 6.高電場パルス殺菌に関する研究を実施し,パルス生成の制御が簡便な多段MOSFET高電圧スイッチを用いて殺菌装置を試作して実験を行い,印加パルス数の増加に伴い生菌数は対数的に減少することを確認した。 7.衛生管理システムの開発について,近赤外分光法を用いて血卵判別を行った。白色卵に関してPLS回帰分析による血卵の分析を行った結果,高い精度を示し,再現性も高かった。一方褐色卵に関しては正常卵と血卵のベースラインが日変動を示すため,原スペクトルを二次微分し,二次微分の差スペクトルを用いることによって高精度で血卵の選別を行うことができることを確認した。 8.微生物の挙動を予測するモデルの構築と殺菌時間の予測については,3つの異なる熱移動機構(放射,熱伝達および熱伝導)に基づく熱移動シミュレーションを行い,モデル食品および農産物表面温度の予測について理論的な研究を行った.放射伝熱についてはモンテカルロ法を,熱伝達については数値流体力学(CFD)的手法を,熱伝導については拡散方程式に基づく解法により熱移動解析を行った.その結果,本開発モデルによるシュミレーション結果は,理論値と良い適合性を示した。
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Research Products
(3 results)