2003 Fiscal Year Annual Research Report
カリオロジーに基づく齲蝕の診断法および治療法の開発
Project/Area Number |
14207081
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
松尾 敬志 徳島大学, 歯学部, 教授 (30173800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥井 康弘 岡山大学, 大学院・医歯薬総合研究科, 助教授 (10188831)
小松 久憲 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (30002182)
池見 宅司 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (80102565)
尾崎 和美 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90214121)
岡本 明 新潟大学, 歯学部附属病院, 講師 (10143786)
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Keywords | 齲蝕 / 細菌 / 診断法 / 齲蝕除去 / DIAGNOdent / 齲蝕溶解液 / リスク評価 / 疫学的解析 |
Research Abstract |
齲蝕は口腔内細菌による感染症であり、歯質からの除菌がその根本的な治療法である。従って、齲蝕の病巣局所において歯質に細菌がどこまで侵入しているか、またどのような状態であるかが診断でき、さらには細菌の増殖をコントロールする治療法やその予後判定が可能になれば、可及的な歯の保存につながると考えられる。これらを基本的なコンセプトとし、科学的な根拠を得ながら齲蝕の病態・病因論(カリオロジー)を確立すると共に、これらの知見に基づいた齲蝕の診断法および治療法について検討した。すなわち、尾崎、小松らは象牙質細管内細菌のDNA抽出法を開発し齲蝕象牙質の細菌を同定した。岩見は客観的色彩評価法、二階堂らは半導体シリコンセンサーを用いたpHイメージングにより、また岡本らは自家蛍光を利用して、それぞれ独自に齲蝕歯質の見知法を考案し、その実用性を検討した。礪波は酸性溶液を応用した化学-機械的齲蝕除去法の開発を目指し、その基礎的なデータを得た。畦森は二次齲蝕のリスク要因を疫学的に検討し、齲蝕の深さを考慮した修復窩洞形成法を検討すると共に、レジン充填後に起こる歯髄疾患も検討した。北村らは、窩洞形成後の歯髄創傷治癒を解析する目的で、窩洞のサイズおよび覆髄剤による歯髄細胞のアポトーシス誘導を解析した。また、鈴木は習慣性咀嚼側と齲蝕の状態を解析すると共に、残存歯数や歯列の形態等との関係も検討した。鳥井らはA.viscosusとS.mutansのヒトエナメル質およびコンポジットレジンへの付着を共焦点レーザー蛍光顕微鏡で検討し、材料によるバイオフィルの相違を解析すると共に、その違いによる二次齲蝕の発生を検討した。池見らは、口腔内ミュータンス連鎖球菌の数を減少させ、齲蝕予防法として期待されるクロルヘキシジンの効果的な使用法を確立する目的で、その除菌効果を的確に評価できる実験系を確立した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Shigetani Y.et al.: "Caries diagnosis using a laser fluorescence system-Observation of autofluorescence of dental caries"Dental Materials Journal. 22(1). 56-65 (2003)
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[Publications] Kitamura C.et al.: "Effects of cavity size on apoptosis-induction during pulp wound healing"Operative Dentistry. 28(1). 75-79 (2003)
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[Publications] Kitamura C.et al.: "Transient Co-localization of C-Jun N-terminal kinase and C-Jun with heat shock protein 70 in pulp cells during apoptosis"Journal of Dental Research. 28(2). 91-95 (2003)
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[Publications] Kitamura C.et al.: "Differential induction of apoptosis by capping agents during pulp wound healing"Journal of Endodontics. 29(1). 41-43 (2003)
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[Publications] Matsuo T.et al.: "An immunohistological study of the localization of bacteria invading root pulpal walls of teeth with periapical lesions"Journal of Endodontics. 29(3). 548-554 (2003)