2002 Fiscal Year Annual Research Report
喘息学童のQOL評価とQOL低下要因の検討(QOL調査票を用いた全国調査)
Project/Area Number |
14207108
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石黒 彩子 名古屋大学, 医学部, 教授 (70135375)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 清世美 名古屋大学, 医学部, 助手 (20332695)
浅野 みどり 名古屋大学, 医学部, 助教授 (30257604)
森田 せつ子 名古屋大学, 医学部, 教授 (30182249)
杉浦 太一 藤田保健衛生大学, 衛生学部, 講師 (20273203)
鳥居 新平 愛知学泉大学, 家政学部, 教授 (80023802)
|
Keywords | 喘息 / 学童 / QOL調査票 / QOL低下要因 / 面接調査 |
Research Abstract |
1.QOL調査結果 平成15年1月より10〜18歳の喘息学童を対象にJSCA-QOL(Japanese school aged children with asthma)Ver.3を用いた全国調査を実施中である。2月28日の時点で1,157部を回収し,結果は以下の通りであった。 1)対象の属性;性別は男児701名,女児424名。重症度の内訳は寛解が12.9%,軽症が61.4%,中等症24.0%,重症1.6%であった。 2)結果;QOL総得点(130点満点)の平均は106.76(±11.98)点で,最高126点、最低52点であった。各ドメインにおける平均点(5点満点中)と信頼係数は、発作誘発が4.39点(α=0.66),日常生活の変化3.92点(α=0.75),家族のサポート3.63点(α=0.80),活動制限4.51点(α=0.74),生活の充実感4.05点(α=0.86)であった。全項目のα係数は0.86であった。因子分析の結果,上記の5つのドメインが抽出された。総括スケールとQOLとのSpearman相関係数は0.576であった。 II.フォーカス・グループ討議の結果 8月23日,小学校3年生〜6年生(男女児各3名)を対象に学校生活や家庭生活でのセルフケア行動やストレスについてのフォーカス・グループ討議を実施した。討議内容はマジックミラー設置の行動観察室を用いて録画をした。 学校生活では軽いEIAを起こしたという経験はみられたが,部活や体育を中断するほどの発作は経験していなかった。また,学級担任や部活動担当の教師に喘息のことを告げている児と告げていない児,あるいは知っているかどうか知らないという児がいた。さらに,「からからかわれる」という理由で薬の吸入をトイレの洗面所で行っている児や,定期受診のために早退するときに友達に「どうして」と聞かれるなどの経験をしており,学校での理解や協力が十分得られているとは考えにくかった。家庭では,薬の飲み忘れがないよう薬セットの工夫をしてもらうなど,父親が協力しているケースもみられた。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 杉浦太一, 浅野みどり, 石黒彩子, 三浦清世美, 鳥居新平: "喘息をもつ学童のQOL測定の試み-QOL質問紙の作成と健康な学童との比較検討-"日本小児難治性喘息・アレルギー疾患学会誌. 1巻・1号. 15-23 (2003)
-
[Publications] 浅野みどり, 杉浦太一, 三浦清世美, 石黒彩子, 鳥居新平: "気管支喘息を持つ子どものQOLの現状-改良版Japanese school aged children with asthma QOL調査用紙を用いて-"日本小児難治性喘息・アレルギー疾患学会誌. 1巻・1号. 24-30 (2003)