2003 Fiscal Year Annual Research Report
喘息学童のQOL評価とQOL低下要因の検討(QOL調査票を用いた全国調査)
Project/Area Number |
14207108
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石黒 彩子 名古屋大学, 医学部, 教授 (70135375)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 清世美 名古屋大学, 医学部, 助手 (20332695)
浅野 みどり 名古屋大学, 医学部, 助教授 (30257604)
森田 せつ子 名古屋大学, 医学部, 教授 (30182249)
杉浦 太一 藤田保健衛生大学, 衛生学部, 講師 (20273203)
鳥居 新平 愛知学泉大学, 家政学部, 教授 (80023802)
|
Keywords | 喘息 / 学童 / QOL調査票 / QOL低下要因 / 面接調査 / コンプライアンス |
Research Abstract |
1.QOL調査結果 平成15年1月より10〜18歳の喘息学童を対象にJSCA-QOL(Japanese school aged children with asthma)Ver.3を用いた全国調査を実施した。278施設に5308部送付し、235施設より2425部返信があった(回収率45.7%)。有効回答数は2098、結果は以下の通りであった。 (1)対象の属性:性別は男児1323名,女児766名。重症度の内訳は寛解が13.6%,軽症が58.3%,中等症21.0%,重症2.0%であった。 (2)結果:QOL総得点(125点満点)の平均は101.73(±11.35)点で,最高120点、最低25点であった。各ドメインにおける平均点(5点満点中)と信頼係数は、発作誘発が4.39点(α=0.72),日常生活の変化4.67点(α=0.72),家族のサポート3.60点(α=0.86),活動制限4.56点(α=0.71),生活の充実感4.07点(α=0.86)であった。全項目のα係数は0.85であった。因子分析の結果,上記の5つのドメインが抽出された。総括スケールとQOLとのSpearman相関係数は0.583であった。 2.フォーカスグループ面接結果 11月2日、アレルギーの子どもの会において、(1)高学年(10〜13歳)6名、(2)低学年(7〜9歳)5名にプログラムを実施した。低学年では全員が自分のアレルゲンを知っており、必要な処置や薬について概ね把握していた。学校における療養行動に特に困ったという発言はなく、友人の理解も得られていた。高学年は、アレルゲン、薬の名前について具体的に知っており、薬の管理については自分で管理できる児と『忘れちゃって飲まないときもある』と発言する児があった。学校では友人の気遣いに少しわずらわしさを感じている発言があった。 3.日本語版Asthma Compliance Instrument(ACI)開発過程における予備調査 翻訳と逆翻訳、内容分析を行った後、日本語版ACIを完成させ、外来通院中の13〜17歳の喘息学童36名を対象として予備調査を実施した。その結果、「コンプライアンス」領域の信頼性係数は、α=0.72、「コンプライアンス関連要因」領域はα=0.86であった。両者の下位項目のα係数は0.61〜0.82であった。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] 杉浦太一, 浅野みどり, 石黒彩子, 三浦清世美, 鳥居新平: "喘息をもつ学童を対象とした自記式QOL調査票の改良-改良版を使用した信頼性妥当性の検討-"日本看護医療学会雑誌. 5巻・1号. 24-34 (2003)
-
[Publications] 浅野みどり, 三浦清世美, 安田道子, 杉浦太一, 藤井千恵, 山田知子, 石黒彩子: "思春期の喘息をもつ子どもの心的状態-描画とエゴグラムの分析を手がかりとして"看護技術. (5月掲載予定). 1-4 (2004)
-
[Publications] 三浦清世美, 浅野みどり, 杉浦太一, 石黒彩子: "喘息をもつ学童の発達段階によるQOL検討〜改良版JSCA-QOL Ver.2を用いて〜"日本小児看護学会 第13回学術集会 講演集. 240-241 (2003)
-
[Publications] 杉浦太一, 浅野みどり, 三浦清世美, 石黒彩子, 鳥居新平: "気管支喘息をもつ学率・生徒のQOLの傾向-自記式QOL調査票Ver.3を用いた全国調査結果"第50回 日本小児保健学会 講演集. 582-583 (2003)
-
[Publications] 浅野みどり, 杉浦太一, 石黒彩子, 三浦清世美: "気管支喘息をもつ学童の学校生活の現状-focus group interviewを用いたpilot study-"第23回日本看護科学学会 学術集会 講演集. 440 (2003)
-
[Publications] ASANO Midori, SUGIURA Taichi, MIURA Kiyomi, ISHIGURO Ayako: "QUALITY OF LIFE IN SCHOOL-AGED CHILDREN WITH ASTHMA IN JAPAN, INVESTIGATED THROUGH THE JAPANESE SCHOOL-AGED CHILDOREN WITH ASTHMA QOL QUESTIONNAIRE 3^<RD> VERSION"First Asia-Pacific Regional Adolescent health Congress. 105 (2004)
-
[Publications] 山田知子, 石黒彩子, 浅野みどり, 三浦清世美, 井口弘子, 杉浦太一: "日本語版ACI(Asthma Compliance Instrument)の開発過程-予備調査での信頼性分析-"第8回日本看護研究学会東海地方会 学術集会. 34 (2004)