2004 Fiscal Year Annual Research Report
東海村における原子力防災学習カリキュラムの開発と地域システムに関する総合研究
Project/Area Number |
14208039
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Research Institution | IBARAKI University |
Principal Investigator |
斎藤 義則 茨城大学, 人文学部, 教授 (70162245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雨宮 昭一 茨城大学, 人文学部, 教授 (90007766)
桑原 祐史 茨城大学, 工学部, 講師 (80272110)
熊沢 紀之 茨城大学, 工学部, 助教授 (70137256)
田切 美智雄 茨城大学, 理学部, 教授 (50007829)
渋谷 敦司 茨城大学, 人文学部, 教授 (90216028)
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Keywords | 原子力事故 / 避難シュミレーション / 避難マニュアルビデオ / エネルギー政策 / 地域システム / ジェンダー / 風評被害 / 土壌汚染 |
Research Abstract |
平成16年度の主要な研究実績は以下のとおりである。 1.簡易放射線測定ネットワークと連携した避難経路シュミレーションモデルの開発実験 小学校などの公共施設で簡易に放射線を測定しネットワークするシステムと避難経路を選択するためのシュミレーションモデルを連動させる開発実験を行った。その結果、有効性が確認され、今後、具体的に地域に適用する社会実験を実施することが課題になっている。 2.防災学習カリキュラム開発のための原子力防災避難マニュアルビデオの改訂 公共施設や一般家庭に常備する原子力防災避難マニュアルビデオを住民の意見をふまえてより分かりやすいものに改訂し、東海村を始め茨城県内の自治体と公共施設に配布した。 3.地域システム再構築のための実態調査 新たにジェンダーの視点から住民インタビュー調査を実施し、原子力エネルギー政策と男女共同参画社会との関係から問題点を明らかにした。社会的弱者の視点から原子力エネルギー政策を検討する必要を指摘した。 4.エネルギー政策と地域システムに関する国際比較調査の実施 旧社会主義国であるチェコスロバキア、オーストリア、ハンガリーにおける政治体制の転換に伴うエネルギー政策、産業、政治、福祉、市民生活との関連について資料収集とヒアリングを行った。建設中の原子力発電所が国民投票で否決されたオーストリア、発電所を持つチェコ、ハンガリーとエネルギー政策、産業構造、政治構造も異なるが再生可能エネルギーへの取組みと無制限な消費社会の見直しが進められており、日本の地域システムを考える有益な知見が得られた。 5.3年間の研究成果のまとめ 研究成果を報告書として刊行した。報告書は3部で構成され、第1部原子力事故における土壌汚染とその対策、第2部防災避難経路シュミレーションモデルの開発と市民参画型環境点検、第3部エネルギー政策の国際比較と地域システム、である。
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