2004 Fiscal Year Annual Research Report
気候・植生・温室効果ガスの結合系領域環境モデルの開発に関する研究
Project/Area Number |
14208062
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木田 秀次 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60252417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
及川 威久 筑波大学, 大学院・生命環境研究科, 教授 (70011682)
中澤 高清 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30108451)
小島 覚 東京女子大学, 文理学部, 教授 (80115138)
末田 達彦 愛媛大学, 農学部, 教授 (90109314)
大滝 英治 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (40033120)
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Keywords | 気候モデリング / 領域気候モデル / 二酸化炭素 / CO2 / 温室効果ガス / 植生モデル / 地球環境変動 / 気候・植生相互作用 |
Research Abstract |
本研究課題の最も基本にある目的は、大気・地表面の相互作用を考慮した気候環境モデルを開発することにあり、この趣旨に沿って研究が進められた。特に重視した問題は、地表面をおおう植生の気候形成への影響を研究することで、そのために植生と大気との間の二酸化炭素の交換過程をモデル化することにあった。 3年計画の最終年である本年度は、これまで開発を続けてきたモデルによる幾つかの数値実験を実施し、それらを総括した。その数値実験の結果、二酸化炭素の植生と大気との間の交換過程のモデル化はおおよそ成功しているが、詳細な解析結果によると、植生モデルの季節変化の表現にやや不十分な問題が残っており、モデル改良の必要があることも分かった。これについては、引き続き行った研究の中で、植生モデルに導入されているパラメータのどのパラメータに特に問題があるか見当が付いたので、今後その問題点が改良できる可能性は高いと思われる。 植生分布の気候への影響については、熱帯のアジア地域の植生を仮想的に大きく変化させたモデルを用いて数値実験をおこなった。その結果によると、植生の大きな変化は、熱帯での循環を変化させ、そのことを通じて中緯度の大気循環にも変化が及ぶことが分かった。 以上の他、地表と大気との間の温室効果ガスや微少物質の交換を研究する場合、大気中でのそれら物質の移動、すなわち輸送過程が重要な研究の視点になる。このため、本年には、大気中での空気塊の移動を大気運動の実際のデータ(解析データ)を用いて調べた。その結果、日本の南部と北部という地球規模からみると近距離の地域どうしでも、空気塊の起源地域は大きく異なることが判明した。これらの研究成果と二酸化炭素の放出・吸収の問題との関係やそのメカニズムなどを研究することの重要性が示唆されているといえる。
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Research Products
(4 results)