2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14209006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 毅彦 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (90237941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
公文 俊平 国際大学, グローバルコミュニケーションセンター, センター長(研究職) (80012318)
岩崎 敬 (株)岩崎敬環境計画事務所, 主任研究員
村上 陽一郎 国際基督教大学, 文学部, 教授 (40012504)
笹井 宏益 国立教育政策研究所, 生涯学習研究部社会教育研究室, 統括研究官 (10271701)
林 春男 京都大学, 防災研究所, 教授 (20164949)
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Keywords | リスク / 持続 / 疫病 / 社会合意 / 安全 / 自己組織化 / コミュニケーション / 社会教育 |
Research Abstract |
1.新たなリスクの顕在化 今回の研究期間中も前年度同様、多様な災害が顕在化した。その範囲は疫病から社会災害まで独立した事象であるが、国際的で俊足な社会流動、自然生態のシステムを越えた経済システム、災害の拡大に対処できない社会システムなどが共通している。 1-1 国境のない新たなリスクの顕在化:SARS、BSE、鳥インフルエンザ、ワーム、ウイルス、情報流出、国際的停電 1-2 社会災害の防止機能の停止の現実化:イラク戦争におけるアメリカとフランス、国際テロの慢性化 2.リスクに係わる現代課題 社会リスクと個人のリスクの区分を再認識する必要がでてきている。また、地球資源の問題などマクロな避けられない課題に対し地球的な社会システムが構築できない現状がある。個人、地域と世界が一体化していることを認識できないことは根本的課題とである。 2-1 社会リスクと個人の権利の区分が曖昧になっていること:村上、公文 :自由意志による種痘接種の影響懸念、テロ以降のアメリカの人権監理 :情報化、流動化社会の中で、リスク管理が単純でなくなっていること:岩崎 2-2 水資源のように地球的な絶対リスク(有限資源のリスク)の危険は、:社会資本の整備と共にさらに強まっていること:岩崎 :資源自給率の低い我が国では、根本的に自国リスクを下げにくいこと:岩崎 3.新時代の社会システム 地域と世界の一体化を前提として、社会システムの新しい構造が提案されつつある。いずれも複層的なセクタのコラボレーションが前提となっている。 :時代の知恵化情報化の新たな取り組み=社会システム:公文提案 :地域システムの国際化について:リシャール論文 :小さなシステムと大きなシステムのコミュニケーション構造による自浄作用=自己組織化都市:岩崎提案 4.地域社会の持続性と文化 社会リスクの回避、持続社会の実現で忘れられる 文化的視点。ユネスコ世界遺産には無形文化財も登録されるようになったが、リスク回避を文化として考える視点も必要だ。 :文化的持続は、地域の持続の一表現:鳥越コメント 5.課題 リスクを考える基本は、リスクを社会での共通認識とすること。そのための情報流通の不足、学習機会の不足。 :なぜ、課題に直面できないか、脳死が起きるか:岩崎、笹井 :新たなリスクについては、問題が認知されない、情報流出 :海外事例などが報道されない、インフルエンザ、疫病 :混乱を回避させようとする社会バランス、特にメディアの存在、日本、アメリカ :社会が直面している課題の認識、将来の目標の認識が出来ていない:岩崎
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Kei IWASAKI: "第3回世界水フォーラム特別展示報告"Academie de l'eau Lettre no.6 Project. Juin. 4-7 (2003)
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[Publications] Haruo HAYASHI, Michiko BANBA: "Analysis of Land Use Control and Management for Earthquake Disaster Reduction in Asia Pacific Region : Case Study of Marikina Cityv"Proceedings of Asian Conference on Earthquake Engineering, Manila, Philippines. Volume II. 277-290 (2004)
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[Publications] Haruo HAYASHI 他: "Development of a Master Plan for Earthquake Disaster Reduction in the Asia-Pacific Region : Significance of the Marikina Case Study."Proceedings of Asian Conference on Earthquake Engineering, Manila, Philippines. Volume I. 419-432 (2004)
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[Publications] Haruo HAYASHI, T.KONDO: "Development of Integrated Strategic Plan for Earthquake Disaster Reduction in Marikina City, Philippines."Proceedings of Asian Conference on Earthquake Engineering, Manila, Philippines. Volume I. 445-460 (2004)
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[Publications] Haruo HAYASHI, Norio MAKI: "Developing Earthquake Disaster Reduction Planning Process for Asia-Pacific Region : Case Study in Marikina City, Philippines."Proceedings of Asian Conference on Earthquake Engineering, Manila, Philippines. Volume I. 433-444 (2004)
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[Publications] Haruo HAYASHI, K.TAMURA: "The Development of Civic Involvement Skills in the Process of Disaster Reduction Planning : A Case Study in Marikina City, Philippines."Proceedings of Asian Conference on Earthquake Engineering, Manila, Philippines. Volume I. 473-486 (2004)
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[Publications] 公文 俊平: "[リーディングズ]情報社会"NTT出版株式会社. 421 (2003)