2003 Fiscal Year Annual Research Report
南アジア近代における「民主主義と開発」の歴史的研究-東アジア・モデルとの比較-
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14209016
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
長崎 暢子 龍谷大学, 国際文化学部, 教授 (70012979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 正丈 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60114716)
絵所 秀紀 法政大学, 経済学部, 教授 (10061243)
清川 雪彦 一橋大学, 経済研究所, 教授 (60017663)
田辺 明生 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教授 (30262215)
杉原 薫 大阪大学, 大学院・経済研究科, 教授 (60117950)
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Keywords | 民主主義 / 開発 / 政治文化 / 中国 / インド / 比較史 / 南アジア / ナショナリズム |
Research Abstract |
本年の主要な研究活動は、国内研究会の開催によって、これまでの研究を深めると同時に、研究分担者を海外に派遣し、3月8日-9日にハーバード大学アジア・センターにおいてワークショップを行い、海外に対する研究発信を行ったことである。第1回研究会(2003年6月15日於:京大会館),報告者:長崎暢子「インドにおける民主主義と開発」,村田雄二郎「「現代中国の開発主義」チベット問題を通して」。第2回研究会(2003年9月14日於:学術総合センター),議題:ハーバード大学におけるワークショップの準備討論を行った。 第一回、第二回の研究会の内容は、民主主義と開発に焦点を当てた南アジアと東アジアとの比較研究の議論はすすみ、たとえば中国では地方分権をどこまで許容するかが重要であり、インドでは地方分権とともに、言論の自由の実現を重要視するなどの議論がなされた。もうひとつの焦点は、政治研究(民主主義)と経済研究(開発)のリンケージである。その成果は、ハーバード大学におけるワークショップ"Workshop on South Asia and East Asia : Comparisons and Connections"において展開された。これは、日本側主催者長崎暢子、ハーバード側のホストをSugata Boseがつとめ、アマルティア・センをひとつのSessionのModeratorとし、ポムレンツ、ビン・ウオン、入江昭などをコメンテーターに迎え、Session 1:The Development of Indian Democracy, Session 2:South Asia's International Relations, Session 3:Development as Freedomの3つのセッションから構成された。活発な議論が展開されたが、その詳細な報告は、2005年中に報告書として刊行される。
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Research Products
(11 results)
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[Publications] 長崎 暢子, 堀本武功: "超大国抜きの多極的国際秩序が理想"アスティオン. 59号. 144-158 (2003)
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[Publications] 長崎 暢子: "「カシミール問題を解決するために」アイーシャ・ジャラール, シュガートボース:聞き手長崎"世界. 7号. 271-280 (2003)
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[Publications] 清川 雪彦, 高橋 塁: "インド繰棉産業の発展と女子労働力の雇用-戦前期農村工業の役割-"一橋大学経済研究所Discussion Paper Series A. No.449. 1-21 (2004)
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[Publications] Kaoru Sugihara: ""The East Asian Path of Economic Development : A Long-term Perspective" in Givanni Arrighi, Takeshi Hamasihta and Mark Selden eds."The Resurgence of East Asia : 500, 150 and 50 Year Perspectives. 78-123 (2003)
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[Publications] 杉原 薫: "近代国際経済秩序の形成と展開-帝国・帝国主義・構造的権力-"帝国の研究(山本有造編)(名古屋大学出版会). 129-185 (2003)
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[Publications] 吉田 修: "グローバリズムの受容と抵抗-世紀転換期アジアの再生戦略とダイナミズム"世紀転換期の国際政治史(福田茂夫, 佐藤信一, 堀一郎編)(ミネルヴァ書房). 第8章. 175-204 (2003)
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[Publications] 吉田 修: "日本のインド研究を知る-ひとつの日印対話-"UP(シンポジウム報告). 368号. 15-19 (2003)
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[Publications] 田辺 明生: "インド世界周縁部における王権確立の過程-オリッサ・クルダ地方の事例から"古代王権の誕生II(東南アジア・南アジア・アメリカ大陸編)(角田文衛, 上田正昭監修)(角川書店). 116-133 (2003)
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[Publications] 佐藤隆広, 三村 聡: "インドにおける人口決定要因分析:全国標本調査(1999年〜2000年度)の個票データを利用して"経済学雑誌(大阪市立大学経済学会). 104巻1号. 104-130 (2003)
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[Publications] 佐藤隆広: "インドにおける若年層の失業問題"経済学雑誌(大阪市立大学経済学会). 105巻1号(2004年6月刊行予定). (2004)
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[Publications] 長崎暢子: "『南アジア史』第8章,9章,10章"山川出版社(出版予定). (2004)