2004 Fiscal Year Annual Research Report
南アジア近代における「民主主義と開発」の歴史的研究-東アジア・モデルとの比較-
Project/Area Number |
14209016
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
長崎 暢子 龍谷大学, 国際文化学部, 教授 (70012979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清川 雪彦 一橋大学, 経済研究所, 教授 (60017663)
絵所 秀紀 法政大学, 経済学部, 教授 (10061243)
若林 正丈 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60114716)
杉原 薫 大阪大学, 大学院・経済研究科, 教授 (60117950)
田辺 明生 京都大学, 人文科学研究科, 助教授 (30262215)
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Keywords | 民主主義 / 開発 / 東アジア近代 / 南アジア近代 / アジア間比較 |
Research Abstract |
本年度の成果は2つに要約できる。(I)昨年度ハーバード大学にて行った国際シンポジウムをきっかけとして、われわれの投げかけた「アジア間比較の視角」が国際的に問題を掘り起こしつつある。すなわち、(1)民主主義の成功と開発の成功とはどのような関係にあるのか、(2)南アジアの「民主主義の成功」と東アジアの「開発」の成功とを比べることにより、何かが見えてくるかである。4月にはカリフォルニア大学のR.Bin Wong教授を招いて第一回研究会「東アジアの帝国と国民国家への道」(於龍谷大学)を行った。7月11日、ハーバード大学のボース教授を招聘して第二回研究会"The Gulf between Pre-Colonial and Colonial Empires : A Sea-Change in Sovereignty"(於如水会館)を行い、7月14日にタフツ大学のジャラール教授を京都(於龍谷大学)に招聘して第三回研究会を行った。同教授は穏健派ムスリムの、平和な秩序建設への貢献を歴史的に実証し、南アジアの「民主主義」理解を深めさせた。これら対話の一部はインドの代表的論壇紙"Economic & Political Weekly"でも取り上げられた。 (II)メンバー間でも数回にわたる海外調査・研究会で議論を深めた。その成果を踏まえ3月23-24日にインドのネルー大学(Centre for the Study of Law and Governance, JNU)において国際シンポジウム"Democracy and Development in Comparative Asian Perspective-An Indo-Japanese Dialogue"を行った。反響は非常によく、報告書の英文出版に期待が持たれる。これを一つの契機として龍谷大学においてAFCプロジェクト『紛争解決と秩序・制度の構築に関する総合研究-アジア・アフリカ研究の地平から』が発足した。
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