Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 征矢 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (70114220)
長島 秀樹 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (10087570)
神田 譲太 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教授 (60202032)
茂木 正人 東京海洋大学, 海洋科学部, 助手 (50330684)
平譯 享 国立極地研究所, 研究教育系, 助手 (70311165)
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Research Abstract |
平成17年6月に東京海洋大学楽水会館において,成果報告のためのシンポジウムを開催した.本年度は当初,南大洋航海の計画は無かったが,海洋構造や生態系の中長期変動を捉えるためには可能な限り継続的な調査を行うことが求められるため,国立極地研究所との協同によりリュツォ・ホルム湾沖の観測を行うこととなった.このため,7月および10月には準備のため「海鷹丸」の練習航海に石丸,茂木らが乗船し,多段開閉式中層ネット,カイトトロールなどによる試験採集と観測機器のテストを行った.11月末から12月に行われた国立極地研究所の極域気水圏シンポジウム 極域生物シンポジウムにおいて成果を発表した.南大洋における研究航海はケープタウン-フリーマントル間(1月4日から30日)で行い,19人の研究者,大学院学生等が参加した.観測内容は,昨年度と同様で,ADCP, CTD等による海洋観測と,水中光学的測定,表層性動植物プランクトン,仔稚魚の分布,基礎生産力測定,多段式開閉ネットによる各層生物採集等である,リュツォ・ホルム湾沖では,昭和基地と呼応したエアロゾルの観測を行い,観測海域に至る各航路上では,連続プランクトン採集器(CPR)の曳航を行った. 昨年度の航海で得られた資料の解析を行い,ケルゲレン海台西側における深層西岸強化流やアデリーランド沖における深層水の流量を見積もることが出来た.また南極発散線の強さや水塊の分布が年によって大きく異なり,それに応じてオキアミ,サルパ,端脚類の分布が大きく異なることが明らかとなった.リュッツオ・ホルム湾沖では中深層生態系において,大型のクラゲが重要な位置を占めることが明らかとなった.この他,窒素栄養の分布構造,エアロゾルの生成過程,南極海表層水の水中光学的特性,コオリウオの形態形成,その他多くの新知見を得ることが出来た.
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