2003 Fiscal Year Annual Research Report
新資料・新研究に基づく、フッサール現象学国際的研究の新しい地平の開拓
Project/Area Number |
14310003
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
浜渦 辰二 静岡大学, 人文学部, 教授 (70218527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野家 伸也 東北工業大学, 工学部, 教授 (80156174)
和田 渡 阪南大学, 経済学部, 教授 (80210988)
山口 一郎 東洋大学, 文学部, 教授 (20287551)
宮原 勇 愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (90182039)
谷 徹 立命館大学, 文学部, 教授 (40188371)
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Keywords | 発生的現象学 / 理念化 / 時間 / 自然と精神 / 数学の哲学 / 志向性 / 予持と把持 / 像理論 |
Research Abstract |
今年度の活動も、昨年度同様、共同研究のメンバーそれぞれが、自ら海外に出て調査・研究・発表をしてくること(山口がドイツに、和田がフランスにそれぞれ出かけた)と、海外からの研究者を招いて、共同研究とともに国際会議を開催することにあった。昨年度末になるが、2003年3月15日・16日に大学セミナー・ハウス(八王子)で開催された第2回フッサール研究国際会議には、海外から4人の研究者を招き(ドイツ3人、ベルギー1人)、我々のメンバーの一人(山口)も含めた5人の発表に基づき討議を行い、また、2003年11月23日・24日に京都大学で開催された第3回フッサール研究国際会議にも同じく、海外から4人の研究者を招き(ドイツ、デンマーク、ベルギー、米国、各1人ずつ)、我々のメンバーの一人(貫)も含めた5人の発表に基づき討議を行った。いずれも、ドイツ語あるいは英語での発表に、すべて原語と和訳を併せて掲載した予稿集『Proceedings』を参加者全員に配布し、招聘窓口になった我々の一人が司会と通訳を務め、海外研究者と日本人研究者の間で充実した討論をすることができた。また、上述第2回フッサール研究国際会議には、それに先だって同3月14日・15日に同所で行われた、国内研究者を中心とする、第2回フッサール研究会を接続させ、その最後の発表は、海外からの研究者にも聞いて頂くためドイツ語で発表が行われ、国内国外の研究者の交流の機会とすることができた。そして、これら三つの会合の記録として、昨年度に引き続いて、フッサール研究会の会誌『フッサール研究』第2号という性格と、科学研究費補助金による共同研究の平成15年度『研究成果報告書』という性格とをあわせ持つ冊子を作成し、2004年3月14・15日に大学セミナー・ハウス(八王子)で行われた第3回フッサール研究会の参加者、およびその他の関係研究者に配布した。
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Research Products
(20 results)
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[Publications] 浜渦辰二: "フッサールにおける現象学と存在論"立命館哲学. 第15集. 1-18 (2004)
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[Publications] 山口一郎: "Zeit und Andere in der genetischen Phanomenologie Husserls"The Second International Meeting for Husserl Studies in Japan, Proceedings. No.2. 1-8 (2003)
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[Publications] 山口一郎: "非直観的なものの直観化"白山哲学. 37号. 105-126 (2003)
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[Publications] 山口一郎: "触発の過剰としての暴力-フッサール発生的現象学の視点から-"白山哲学. 38号. 149-169 (2004)
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[Publications] 和田 渡: "『ベルナウ時間意識草稿(1917/1918)』の解読-自我(作用)と意識流(自我の生)の絡み合いの探究-"現象学年報. 19. 87-96 (2003)
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[Publications] 和田 渡: "『ベルナウ時間草稿(1917/1918)』の解読-意識流と自我作用の出来事としての現在への反省とその問題点-"阪南論集. 第39巻第2号. 1-9 (2004)
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[Publications] 野家伸也: "表象主義を超えて-イナクション理論の射程"心の科学と哲学-コネクショニズムの可能性(戸田山和久ほか編)(昭和堂). 273-291 (2003)
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[Publications] 野家伸也: "現象学とシステム論"玉川大学学術研究所紀要. 第9号. 59-64 (2004)
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[Publications] 谷 徹: "歓待と暴力"他者の現象学III(北斗出版). 279-299 (2004)
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[Publications] 谷 徹: "ヘーゲルと現象学"知の教科書ヘーゲル(講談社). 117-128 (2004)
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[Publications] 谷 徹: "哲学者の歩んだみち フッサール"新版 哲学がわかる. 104-107 (2004)
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[Publications] 貫 成人: "数学的直観-フッサール現象学と数学の哲学-"フッサール研究. 第2号. 129-139 (2004)
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[Publications] 榊原哲也: "自然と精神-フッサールにおける自然の現象学-"自然概念の哲学的変遷(池田善昭編)(世界思想社). 249-268 (2003)
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[Publications] 榊原哲也: "『イデーンII』への一視点-遺された未刊草稿からのアプローチ"現象学年報. 第19号. 27-37 (2003)
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[Publications] 斎藤慶典: "言葉が語り出されるとき…(I)"西洋精神史における言語観の変遷(松田隆美編)(慶應義塾大学出版会). 211-232 (2004)
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[Publications] 宮原 勇: "図説・現代哲学で考える<表現・テキスト・解釈>"丸善株式会社. 151 (2004)
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[Publications] 貫 成人: "経験の構造:フッサール現象学の新しい全体像"勁草書房. 278+16 (2003)
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[Publications] 斎藤慶典: "デカルト-「われ思う」のは誰か"NHK出版. 126 (2003)
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[Publications] 斎藤慶典: "心という場所-「享受」の哲学のために"勁草書房. 293+11 (2003)
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[Publications] 斎藤慶典(共著): "連続をめぐる哲学"ミネルヴァ書房. 210 (2004)