Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北岡 明佳 立命館大学, 文学部, 助教授 (70234234)
尾田 政臣 立命館大学, 文学部, 教授 (00298720)
服部 雅史 立命館大学, 文学部, 助教授 (50301643)
吉田 甫 立命館大学, 文学部, 教授 (80094085)
八木 保樹 立命館大学, 文学部, 教授 (20210221)
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Research Abstract |
前2年度に継続して,各研究担当者は本研究課題のキイとなる"基準"および"ヒューマン・ファラシー"の概念をそれぞれの分担領域における研究遂行上の柱として位置づけ,実証的研究の遂行ならびに知見の蓄積と成果の発表に努めた。今年度,「感覚・知覚」,「認知・ヒューマンインタフェース」,「学習・記憶・思考」,「人格・社会・適応」の各分担領域で扱われた個別の研究テーマは,基準に対して実際よりも傾いて見えるカフェウォール錯視の説明原理の提唱とその原理からの派生的錯視の作成,画像上での三次元空間知覚の性質および知覚と感性的印象との関係,映像酔いの発症要因へのアプローチ,垂直面上に遠近法的に描かれた矢印の方向認知における錯誤,表情認知と表情表出スキルとの関係における個人性の問題,自らが作成した予定の遂行を失敗する場面で利用される展望的記憶の性質,Wason選択課題における推論のファラシー,意思決定文脈の効果からみた選好形成における理想点の役割,子どもの分数概念における誤り方略の発達的変化,意識化された自己概念(特に,パーソナリティの一つとしての自尊心の高さ)が反応基準として機能するとき顕著な個人差が現われるのではないかという仮説の検証,などであった。今年度,研究課題に直接関連して公刊された雑誌論文は別記(8件中の6件を記載.印刷中を含む)のとおりであるが,他に,査読中の論文ならびに研究協力者による論文が5件ある。また,研究担当者がそれぞれの学会で発表した研究成果は約20件あり,公刊の準備を進めている。 次年度(平成17年度)は研究期間の最終年度となるが,上記の個別研究テーマに関する実験はもとより,従前の研究計画のうち未完となっている実験の遂行や各分担領域別の展望的論考の執筆に努力し,平成14・15年度に公刊あるいは学会発表の成果と合わせて,本研究課題の『研究成果報告書』とする予定である。
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